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これから売れる、アーバンで大人なおすすめ4バンドまとめ

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 アーバンな感じって一体なんなんでしょうね。世界で一番の都市規模を誇る東京だけど、中心にいけばいくほど胡散臭い連中ばかりになっていくし。

 アーバン。

 ともかくこのタイトルをクリックして記事を見に来たということは、少なからずアーバンというワードにあなたは惹かれてきたはず。

 というわけで今回は、私の独断と偏見でアーバンで大人な4バンドまとめ!ということで都会的でオシャレ、且つ落ち着きのあるバンドを4つピックアップしてみました。

 これであなたも今日からアーバン。ではさっそく。

Newspeak


Newspeak – What We Wanted

 日本のバンドも海外のバンドもそれぞれ良いところがあると思うんだけど、その二つってなかなか両立しないんですよね。わかりやすいところで言えば今のワンオクと昔のワンオクみたいな。今のワンオクって邦楽らしい部分といえば歌詞に日本語が少し混じるくらいのものだから。

 結局のところ日本のバンドが洋楽らしさを取り入れようと思うと、完全にジャパナイズしてしまうか、洋楽をそのままやるかになってしまうのだけど、最近結成されたばかりのNewspeakというバンドがそうではないパターンを見せてくれました。

 ざっくりいえばギターと曲の展開が邦楽っぽくてボーカル・ベース・ドラムが洋楽っぽい。というかドラムが外人なので”っぽい”って言うのはアレかもしれないけど。とまあ、この混ざり合ってない感じが凄い面白いなと。

 邦楽好きにも洋楽好きにも勧められる稀有なバンドだと思います。

 

ヘンショクリュウ


ヘンショクリュウ – 新しい踊り方

 バンド音楽、とりわけ3ピース編成の音楽のバンドの面白さの一つは音数が限られてしまうことで新しいアプローチの音楽が生まれるところだと思うんだけど、それにしてもまた尖ったのがでてきたなあというのがヘンショクリュウの印象。

 バンドを紹介するときって大体の場合は「他と比べてどう違う・凄いのか」ってのを主軸に話すことが多いけれど、今回の場合はもう根っこから全然違うので、そういうのは無理。新しいタイプの音楽です。

 注目すべきポイントは亀田誠司のコンテスト、亀田杯で決勝に進出したというフロントマン、ハギワラのベース。リズムにノらせるのがめちゃくちゃ上手いなって思います。

 本人らも語っているように、このバンドは歌詞を聴いたりするタイプの音楽じゃなくて、リズムを体で感じて楽しむタイプの音楽。気になった方は是非ライブにて彼らの生のグルーヴを体感してほしいなと思います。

 

INNOSENT in FORMAL


INNOSENT in FORMAL – One for you

 25歳から35歳くらいの人が聴いたら絶対「あーそれそれ!」となるはず。ゴリラズ愛がヒシヒシと伝わるカートゥーンバンドINNOSENT in FORMAL。

 一応若い人のために説明すると、今から15年ほど前にロック+ラップという形態の音楽が死ぬほど流行ったんですね。今でも有名なので言えばオレンジレンジとか。当時はメロコアバンドさえラップしてたからな。件のゴリラズもその流れの中心的存在のバンドという感じです。

 ただブームが去って後は、流行り過ぎた反動からかそういうバンドがバッタリといなくなってしまったんですね。

 僕は以前から最近のヒップホップの流行や、ロックバンドのビートの感じからまたラップロックの時代が来ると言い続けてきたんですが遂に現れたようです。

 このバンドは最近デビューしたばかりだけど、かなりクオリティが高くて、何故あの時僕らがラップロックにハマっていたかを感じてもらえるはず。

 

Pablo


Pablo – aiwana

 ここまでは若手とかデビューしたてのバンドばかりだったけど、最後に一つちょっとキャリアが長めなバンドを。

 個人的にライブハウスでお酒を飲みながらゆっくり聴きたい音楽ナンバーワンのバンド、Pablo。まあ飲めないんですけどね。

 ロゴから始まるMVがオシャレ。トータルデザインが完璧でスキのないバンドって意外と少ないんですよね。

 大人の余裕か2017年のシティポップからまた一歩進んで、都会的で音数の少ないより洋楽的なサウンドをしています。個人的には一番好きです。

 

バンド

 バンドと言えばロックバンドばかり取り沙汰されがちですけれども、ストレートなロックアプローチだけがバンドじゃなくて、こういう落ち着きのあるスタイルの音楽もちゃんとバンドミュージックにはあるわけで。

 普段ロックばかりであまりそれ以外に目が向かないという人も、良ければ是非この4バンドらへんから新しく音楽を掘っていってくれたらなとおもいます。

 ありがとうございました。

 それでは。

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最近一番衝撃だったバンドはカッパマイナス

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 良いバンド、と一口にいってもその良さというのは様々。

 それは女の可愛さと、同じ。仕草がかわいいとか、笑顔がキュートだとか、言う事が愛らしいとか。

 でもレジェンドとして芸能界に君臨するのはいつだってシンプルに顔がメチャクチャ可愛い女。多部未華子がタイプとか宣う男も橋本環奈の破壊力で網膜をぶん殴れば目を醒ます。

 バンドで言えば、歌詞がいいとか、メロディが美しいとか、編曲が巧みだとか「あ、良い曲だね」と言えるポイントってのは様々ある。が、やっぱり伝説級のバンドに備わってるのはシンプルに衝撃力。インパクト。派手さ。一聴して「ヤッベ」となる音像。これに尽きる。今でも好きな音楽はどれもイントロ一発で俺らの耳をノックアウトしてきた。

 一曲聴いて

「あーいいねー」

 と、好感触なバンドはたくさんいる。ちょっと名前を聞くようになってきたバンドなんかはどれもこれも何らかの素養を兼ね備えているし、まるでダメというバンドの方が珍しい。みんな賢いというか。ネットの発達からか、バンド側も世の中の流行りを把握するようになったし、その売れるラインを上手に踏んでくるバンドが最近は多い。が、

「あ、ヤバいな」

 というバンドは逆にめっきり見なくなった。というわけで

 

 ヤバいバンドです。見つけました。イントロでぶっちぎり勝ってるバンド。カッパマイナスです。

 聴きました?めちゃめちゃにかっこよくないですか。ミッシェルガンエレファントを初めて聴いたときみたいなショック。

 最近のバンドはどれもこれもブラジャーのホックを外すときだけ心の中までわかった気がしてそうなバンドばっかりで、その観点から言えば

「せっかちな現代人にはイントロなんて必要なし、いきなり歌詞で殴りかかれ」

 というのが最近の正義なんだけど、そういう器用で賢い話は知らん。ギターをな、こうでこうで、こうじゃ!!と言わんばかりに弾きまくるイントロ。

 仲良いのか、題字をゆれるのあみさんが書いてるのも良い。向きはちょっと違うけど同系統だし両方とも大好き。最近の歌詞ブーム、3ピースブームも好きだけど、やっぱりこういう火力特化みたいなバンドがどうしても好きだ。

 

 歌中心のバンドが多い最近なんだけど、聴き比べるとこのバンドは演奏を軸にして、歌があるというか。どんどんポップス化してるバンドと真逆の方向。メロディ感も少ないし。歌に歪みエフェクトかかっちゃってるし。

 のだけど、演奏がバチバチにかっこいいから全く気にならない。というか、本当に好きなバンドってこういうバンドだったなと思い出した。ていうかこういうのこそ、バンドじゃないと聴けない。

 曲を口ずさむとき、ポップスはサビの歌メロを歌うと思うんだけど、カッパマイナスの場合はイントロのギターを歌いたくなる。デデデデッツクデーデデデーつって。

 曲調も、最近聴かない曲調してる。深刻で、怒ってるような。そういうテンションの上げ方してくる。

 

 貶すところも、説明が必要なことも、もうない。良いバンドだから。とにかく聴いてほしい。そしたらわかるから。

 それでは。

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Large House Satisfactionと対バンするな

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 バンドを称賛する言葉は色々ある。かっこいいとか、上手とか、面白いとか。

 けれどやっぱり一番の褒め言葉は「対バンしたくない」なんじゃないかと。

 イチローが四球を投げられまくるのと同じく、良いバンドは対バンを文字通り喰ってしまうので、極端な例では対バンを嫌がられたりする。

 そういう観点から鑑みるに、対バンだったら嫌だなあの筆頭がLHS、Large House Satisfaction。デカイ、家、満足。ネーミングセンスが世帯主。バンド名なんでもアリの現代と言えど、不動産で攻めてくるのはこの三人ぐらいなもんである。

 サーキットイベントなんかでも、見かけるたびに必ず見に行ってる。大箱のトリバンドをほったらかしてでもラージハウスサティスファクション。そんでもって三人のライブが良すぎて、その前に観たいくつかのバンドの印象をかっさらっていってしまういつも。「ラージ、音デカかったなあ」で一日が終わる。PAに何て伝えたらあんな爆音になるのか。

 というわけで今回は、個人的に対バンしたくないバンド堂々の一位。Large House Satisfactionの記事です。

 音源のはずなのに心なしか既に音デカく聴こえる。ウケる。

 音源っていうのはリズム補正したりピッチ補正したり、録った音なんか原型がなくなるまで加工しまくるのが常なので、音源マジックでどのバンドもかっこよく聴こえるもんなんだけど、ラージは音源以上にライブ。生の良さがCDデータに詰め込めない。家のスピーカーじゃ再生しようがない。だって、音が、デカいから。

 音源だからというわけではなく、ライブでもこの声。というか、これ以上に凶悪。喉にマーシャル入ってる。

 

 ギターとベースが二人兄弟なんだけれど、特にベースのお兄ちゃん、小林賢司が、好き。全員好きだけど。

 旧プロフィールには「好きなもの:金、脂、女」「嫌いなもの:奈良漬とババア」ババアは女じゃない。間接的にそう宣う。そんな賢司おにいちゃんのストレートなベースラインが超かっこいい。気取らず奇をてらわず。この曲なんかはゆったり動いてボトムを支えているけれど、3ピースバンドなのに全く動かない曲も少なくない。めちゃめちゃ漢。

 

 歌詞なんか一切内容がうかがい知れないし、小林要司ライブ中ほぼ喋らないからなーにを考えているのか全く見当もつかないけれど、とにかくこのキレた雰囲気が魅力。

 フェイバリットにAC/DC、thee michelle gun elephant、blanky jet cityを挙げているけれど、どれにも近いようで全く別物。ミッシェルブランキー全盛時代だったら黄金の3バンド目になっていたはず。本当に。

 よく、上の2バンドの名前を挙げて「最近の邦楽は面白くない」「あの頃はよかった」と管をまくオジサンたちがいるけれども、ここにちゃんといるから文句つけるのは聴いてからにしてほしい。

 ともかく、レーベル独立おめでとうございます。Large House Satisfaction超応援してる。

 最近ライブにマンネリを感じてるみなさん。是非彼らのライブに足を運んでみてはいかがでしょうか。

 それでは。

 

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今年、ガールズバンドはHump Backを聴け。

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 yonigeが一大ブームを起こして、今実質ガールズバンドの覇権は彼女らにある状態なんだけれど。その後ろにCHAI(ガールズか?)とかリーガルリリーがいるような位置取りになっていて。その3バンドがよく話に出て来がちだけれど違うだろと。Hump Backだろと。

 勢いで言えば、いま一番めきめき来てるガールズバンドと言ったら彼女たちHump Back。一年前にインタビューもさせてもらったけど、唐竹を割ったような性格のカッコいい女性でした。カリスマあるなと。姐さん!つって泣きついたら何も言わず5万円までなら貸してくれそう。

 チャットモンチーのトリビュートアルバム参加アーティストにも堂々選出され、CMなんかも出ちゃって。応援している身としては嬉しいやら遠くへいってしまったようで寂しいやらでもやっぱり嬉しいやら。

 今日アルバムを聴いていたら改めて良いバンドだなと思いこの文を書いています。

 ただのガールズバンド?馬鹿も休み休み言え、冬期休暇取れ。普通の女の子の皮をかぶったド変態です。

 良いバンドです。聴いてください。

 この曲、すげえシンプルに聴こえてヤバい編曲構成してると思うんですよ。

 イントロなしで歌に入って、アウトロまで一切間奏パートないんですよね。よくもまあこんな構成で曲つくったなと。

 普通、最初のサビがくるところに間奏(イントロ)を入れるとかするのが邦楽の鉄板なんだけれどそれを一切無視。サビまで突っ走って一呼吸置いたらすぐまたAメロ。

 3ピースだから普通に曲つくるとマジで普通になっちゃうところを、違和感なくおかしい編曲している。よく聴くとへんな曲です。良い意味で。

 あと大阪出身っていうことで、なんかメロディが関西弁っぽくてかわいくないですか。出だしとか。新宿で居酒屋のバイトしてたら一生出てこないメロディしてるなと。

 そういうトータルで、一見普通のガールズバンドに聴こえて今一番突出して非凡なバンドだと思うワケです。

 

 MCめちゃくちゃ男気。家系ラーメン。驚邏大四凶殺。って感じなのに歌い出したら声激カワ。なんだこれ。ギャップで血糖値が急降下する。耳が生活習慣病になる。

 この曲もイントロないんですよね。徹底してる。曲の展開の速さは現代音楽の正義。

 ガールズバンドってひとくくりにされがちで一緒くたに語られやすいけれど、一個一個色があって、yonigeが過去の恋愛について、リーガルリリーが鬱屈とした人生観、だとしたらHump Backは日々の憂鬱なのかなと。

 両バンドの中央値ぐらいのいいところをとった歌詞で。恋愛から来る気怠さみたいなものを上手に詞にしている女性らしいバンドというか、男じゃどうやっても表現しづらい、できないような内容を歌ってるのが彼女たち。女性であればこその歌がHump Backの歌だと思うんです。

 

 THE NINTH APOLLO系列って、お互いに影響し合うのかやっぱり演奏とかギターワークに共通する匂いがあるよね。

 この曲なんかシンプルだけどサビが派手で憶えやすくて歌謡曲として完璧。にしてもへんな編曲してる。2サビの頭とか。

 この普通っぽいのによく聴くとヘンっていうのが彼女たちの魅力。そこに惹かれてる俺は。

 みなさんもちょっとは惹かれてくれましたでしょうか。

 それでは、また次の記事で。

 

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次期flumpoolは、Goodbye holiday。

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 バンドにもサラブレッドとマキバオーみたいなのがありまして、最近活躍してるバンドはおおむねみんな血統書の血の字もないような、良い意味で叩き上げの泥を食んで勝ち上がってきたバンドばかりなんだけれども、flumpoolって、違ったじゃないですか。

 見た目からしてもう王子様だし楽曲も、音源ありき、人手ありき、メンバーの手だけじゃ再現不可能なシンセサイザーやストリングスが入ってたりするまさにドメジャーバンド。バンドとは思えぬ品の良さ。磯丸水産とかいったことないですぅみたいな顔してたじゃないですか。

 音楽には個々役割、ポジションがあって、世の中にはそういうバンドもすべからく必要で。女性シンガソングライター枠、男性ボーカリスト枠、アイドル枠、マイルドヤンキー枠、歌のうまいホモ枠。各枠組みが音楽業界にそれぞれ絶えないように供給されているわけなんですけど、CM
やドラマ主題歌で活躍するメジャーバンド枠ってしばらく供給がストップしてたなと。Back Numberがいるけど、あれは王子様ってルックスじゃない。むしろ顔面磯丸水産。ヘイラッシャイ。平気でお通し断りそうじゃん。あ、いいッスつって。

 というわけで見つけてきました。次期flumpool枠。今日はGoodbye holidayをご紹介致します。

Goodbye holiday

 顔面メンズノンノかよ。訴えられろよバックナンバーによ。何罪にあたるか知らんけど。

 そもそもこんな白い部屋イケメンしか似合わないからな。実際他のメンバーあんまり似合ってないじゃねえか。個々部屋容易したれよ。

 自分の中学校時代の部活の顧問が言ってたんですけど

「人間、外見よりも内面が大事ですが、内面は外見に出るので、人間は顔です」

 顔です。顔なんです。

 こんなキラキラした、表参道みたいなセンスの曲、この人たちしか歌っちゃだめなんです。わかりますか?いや違うか。わかるかブサイクおい。俺たちみたいなきったねえツラした人間がflumpool様やGoodbye holiday様の歌なんかカラオケですら歌っちゃいけねえんだよ。サンボマスターとか忘れらんねえよとかSHISHAMOとか歌っときゃいいんだよ、ヤバい純粋に顔の悪口になってきた。

 もし仮に彼らが悲惨な失恋の歌を歌ってたらどうでしょうか。どうもこうもねえな。YouTubeにバッドつけて終わり、そんでバーチャルユーチューバーの動画でも見るわな。

 しいきともみだって、よくよく見れば失恋しそうな顔してるじゃないですか。ハンサムだけど。悲しみのあるハンサムじゃないですか。こいつぁ違う。完全に光の住人。デート中に鼻先に蝶とかとまっちゃう顔してる。俺なんか最近女の子にジュース買ってあげようとしたら小銭いれるところにちっちゃい蛾がとまってて「うわあ!」つって小銭落として排水溝はいってったからな。何の話だこれ。

 

 普通に曲、メロディがクソかっこよくてムカつく。事故で顔かセンス失え。あとMV最後まで見せろ。

 そうかっこいいんですよね…顔以外も…はあ…もう今日記事ここでやめにしようかなこれ…

 メジャーバンド枠って、編曲が似たり寄ったりになりやすいんですよ。さわやか〜〜〜に曲がつくられるから。これ歌だけ変えたら他のバンドの曲だとしても納得して聴いちゃうでしょ。

 だから逆に生存競争が厳しくって、差別化をはかれるのが「メロディの良し悪し」とかいうセンスでしかどうしようもない不定形なもの頼り。

 今日このバンドを記事にしたのも、正直楽曲自体は「あ、メジャーバンドだな」っていう雰囲気なんだけれどそれにしてもメロディが異様に良いから。これはウケるな、世間に。と。

 flumpoolは好きだし、良い曲は良かったけど、曲にムラがあったなあという印象だった分。こっちはどの曲もメロディが突出しててややもしたら想像以上に評価されちゃうんじゃないかと思う次第です。期待。

 そんなわけで、次期メジャーバンド王子様枠に彼ら、Goodbye holiday。憶えておいていただければと思います。

 それでは。

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スピッツ草野マサムネに学ぶ、気になる女子の口説きかた

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 本日は、スピッツの歌詞で女子の口説き方を学んでみたいと思います。作詞はご存知のとおり、ボーカル草野マサムネであります。われわれはこれから草野マサムネの歌詞を読み、女子を口説くための技術を学んでいくのであります。それでは始めます。

 ひとつめの教材は『大宮サンセット』です。『色々衣』というカップリング集に収録されています。この曲の冒頭の一行を見てほしいのですが、そこにあるのは最高の導入なのであります。

この街で俺以外 君のかわいさを知らない

 この一文で始まるのです。これがすごいのです。なぜか?

 一般に、男が女をほめるとき、「かわいいね」と言うのです。これを「口説きの平均値」としてみます。では、平均以下の口説き文句とは何か? それはたとえば「かわいいって言われない?」であり、「モテるでしょ?」なのです。これのなにが駄目かといえば、相手のことをほめるのに第三者の存在を利用しているところなのです。

 なぜこんな言い方をしてしまうかといえば、自分に自信がないからなのです。恐怖心がリスクを取りたくないという気持ちを生み、第三者を経由した口説き文句を生み出してしまうのです。「かわいいって言われない?」という言葉は、自分自身の気持ちに言及しないまま言えてしまう点がだめなのです。

 ここはやはり、「僕は君をかわいいと思った」と断言して、言葉の責任を引き受けるのがマナーなのであります。そうすることで、ようやく口説きの平均値に達することができるのです。拒絶される可能性におびえながらも、「僕と君」の世界に誘いこもうとする努力だけはするべきなのです。

 以上を踏まえて先ほどの歌詞をあらためて読んでほしいのですが、草野マサムネは平然とその先に進んでいるのです。

この街で俺以外 君のかわいさを知らない

「僕は君をかわいいと思った」どころの騒ぎではないのです。「この街で俺以外、君のかわいさを知らない」と言っているのです。第三者の存在を真逆のかたちで利用しているのです。これはもう、ギリギリの言葉であります。他のやつらは君のことを全然かわいいと思っていない。そんなニュアンスさえ漂っているのです。

 しかし草野マサムネの真髄は、すぐさま次のように続けるところにあるのです。

今のところ俺以外 君のかわいさを知らないはず

「知らないはず」と言い直し、唐突な断言に動揺している彼女をふわっとやさしく包みこむのです。さらに「今のところ」と付け足すことで、彼女の未来まで予感させているのです。すなわち、「やがて世界は君のかわいさを知りはじめるだろう」ということです。これは、愛の予言者としての言葉なのです。

「僕」と「俺」のバランス感覚

 ここで知ってほしいのは、草野マサムネが「僕」と「俺」のあいだで揺れる男だということです。おそらく世間的なイメージは「僕」の人なのです。その外見や声質から連想されるのは、「僕」としての草野マサムネでしょう。ここでいう「僕」とは、少年性であり、繊細さです。しかし草野マサムネというのは意外と「俺」成分も強い人なのです。「俺」とは男性性であり、一種の強引さと言ってもいいでしょう。

 そして、スピッツのシングル曲には「僕」の要素が多いのに対し、アルバム曲やカップリング曲では「俺」としての草野マサムネが全開になる曲が多く見られるのです。たとえば『俺のすべて』なんて曲も書いています。草野マサムネという人の不思議な魅力は、それが単純な「僕」ではなく、随所に混じる「俺」にこそあると私は考えるのです。

『涙がキラリ☆』の歌詞を見てみましょう。

君の記憶の片隅に 居座ることを今決めたから

 あくまでも君の記憶の「片隅」なのです。その控え目な表現に、繊細さや臆病さがあらわれています。しかし同時に草野マサムネは「居座る」とも言っているのです。ふしぎと強引で、押しの強いところもあるのです。「片隅」の直後に「居座る」という言葉が出てくるところに、いかにも草野マサムネ的な少年性と男性性のバランス感覚があるのです。

 ここでみなさんに知っておいてほしいのは、女子が魅力を感じるのは、「僕」だけの男でも、「俺」だけの男でもないということなのです。女子の胸がときめく瞬間は、「僕」だと思っていた男が不意に見せる「俺」や、「俺」だと思っていた男が二人きりのときにあらわにする「僕」にこそあるのです。


 

「品性」と「変態性」のバランス

 もうひとつ、別の曲を見てみましょう。『ラズベリー』です。

おかしいよと言われてもいい ただ君のヌードを
ちゃんと見るまでは僕は死ねない

 ここにあるのは、「品性」と「変態性」のバランスです。要するに、この人は相手の裸を見たがっているのです。ただそれだけのことなのです。しかし不思議と品がある。それは「ヌード」という言葉のえらびかたや、「おかしいよと言われてもいい」という丁寧な前置きによるのでしょう。

 しかし同時に、草野マサムネは「ちゃんと見る」という妙なこだわりかたも見せています。チラッと見るだけじゃだめなのです。君のヌードをちゃんと見たいと言っているのです。しかもちゃんと見るまで「僕は死ねない」のです。ここまで言われると変態性が漂ってくるでしょう。

 ここで知ってほしいのは、どれだけ付き合っても何の変態性も出てこない男のことを、女はあっさり「退屈でつまらない」と評することなのです。女は女で自己の内側に変態性を抱えて生きているわけで、ただひたすらに上品なだけの男が相手では、自身の変態性の持っていきどころがないのです。

 その意味で、変態性を持つことは異性を惹きつけるポイントではあるのですが、むろん、はじめてのデートに局部まるだしで登場すればいいわけではない。あくまでも求められるのは「品」なのです。ここでいう「品」とは、自分と相手の距離に敏感であることであり、自身の変態性とのあいだに適切な距離が取れていることと言ってもいいでしょう。

 草野マサムネは、少年性と男性性のあいだで揺れ、品性と変態性のあいだで揺れる人です。この揺れこそが魅力の秘密なのです。冒頭の『大宮サンセット』に戻れば、「この街で俺以外、君のかわいさを知らない」という力強い断言は男性性の迫力ですが、それが直後に「今のところ知らないはず」と言い直されるところで、少年性の繊細さがあらわれるのです。この微妙な揺れこそが、女子を夢中にさせているのです。
 

最後に

 以上、長々と読んでいただきありがとうございました。これで講義を終わります。みなさんも是非このバランス感覚を学び、草野マサムネ的なありかたをマスターすることで、意中の女子を口説いていただければと思います。

 ただ、最後の最後でハシゴを外す形になってしまい申し訳ないのですが、「こんなものは草野マサムネだから許される」という意見もチラホラあります。「真似できる類のものではない」という意見もあります。あなたが「この街で俺以外、君のかわいさを知らない」と言ったとき、女子の返答が「は???」である可能性もあるのです。その点、お気をつけください。それでは。

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ボブネミミッミをきっかけにAC部のMVを見るがいい

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 がいい。

 この間まで「すごーい!」「フレンズだね!」とか言ってたオタクのみなさん。中指、立ててますか?

 クソ四コマ、ポプテピピックがクソアニメ化ということで、一台ブームを巻き起こしておりますが今日はその中でも特にクソ部分。「揚げ物の箸休めに油飲まされてる気分」と揶揄される新コーナー(第一話からやっている)ボブネミミッミについての話題にございます。

 ただでさえ著作権ギリギリのチキンレースを突っ走るアニメ、ポプテピピックの特に著作権がヤバい部分をごまかす為のモザイク的な役割を果たすこのコーナー。AC部というグループが制作しておりまして、音楽業界ではちょこっとだけ有名な映像制作グループなのです。もしかしたらこのクセのありすぎる作風、見覚えがあるという方多いんじゃないでしょうか。

 

 ORANGE RANGEのSUSHI食べたい です。見た事ありますよね。

 MVで言えばこれが代表作になるんじゃないかと思いますが、実はコレ以外にもAC部、多数のMVを制作しているのです。

 そんなわけで今回はAC部の映像作品を一部ご紹介。どう考えても刺激物ですので気分が優れない方、乳幼児のみなさん、閲覧をご遠慮いただきますよう。それでは。

 AC部と言えばハズせないのがgroup_inou

 ポプテピにおいてもそうだけれど、コラボレーション対象が意味不明であればあるほど本領を発揮するのがAC部。

 脈絡をドブに捨てたイノウの圧倒的な歌詞性がAC部の作風に存分に生かされている。最悪のシナジー。前頭葉にゴリゴリ響く。

 

 ラスト30秒の圧倒的展開に息をのむ。是非冒頭から刮目して見よ。まったく意味がわからんから。

 

 さよならポニーテールの乙女な音楽性に合わせた80年代風のMV。

 鳩に困ったら雨宮〜〜〜とかのイメージが強い人からすると意外に思われるかもしれませんが、実はAC部こういうのもつくってたり。

 

 あと最近の仕事だとクリープハイプがNHKに提供した「おばけでいいからはやくきて」(YouTubeリンクがないのでこちらで視聴してください)の背景映像なんかも担当。クリープハイプとAC部が繋がることがまさかあるなんて。

 

 どうでしたでしょうか。これを期に音楽、特にgroup_inouなんか聴いて頂けるようになれば幸いです。

 それでは。

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目下売り出し中のアーティスト"ましのみ"みたいな女は女に嫌われる

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 こんにちは、男です。それにしても女性ってのは本当にわけのわからん生き物ですよ。

 男なんてのは基本的にパーなので、頭の中には飯とエロとモンハンワールドのことくらいしかないんですけど、それと比べると女の頭の中ってのはどうにも難しくできているなと。男女平等なんて無理。犬と猫を同じ飼育方法で飼えるわけがない。

 具体的に何が違うか?例を挙げると、男は他人の事を面白いヤツかどうか、気のいい奴かどうか、異性なら(顔が)かわいいかどうか、ぐらいでしか計測評価できないんだけれど、それと比較すると女性は本当に些細な違いを敏感に感知して人付き合いをしているように思えるんです。ずっと人間関係にレーダー張ってるっていうか。特に女性同士の人間関係にはそういった面が如実に見られます。

 そういった観点からものを見るに。今回タイトルの槍玉に挙げられたましのみちゃんっていうアーティストは本当にメスに嫌われそうな要素の詰め合わせ。仕事上がりに飲み会に誘ってくる40代後半のタータンチェック柄のセミみたいな生き物。見つけました。こいつぁおもしれえ!と記事を書いている次第です。

 というわけで今回は今売り出し中の注目アーティストましのみちゃんです。どうぞ。

ましのみの、ダメなところ

 そうですね。何が女に憎悪されるのか。解説していきましょう。まず顔がかわいい。非常にマズい。

 女は基本的に顔の可愛い女が嫌いです。なぜか?

 女性の価値基準は核に「かわいい or not」という確固たるものがあって。ライバルになり得ないアイドルとかモデルとかは目につかないにしても、そうでない、一般人や、ルックスを仕事にしてるプロの”かわいい”以外で顔がかわいいと、敵として脳が認識するようにプログラミングされているわけです。

 これは俺たちが芸人が莫大なギャラを得てテレビでもてはやされてるのにはムカつきはしないけれど、YouTuberがハバ効かせてるのは全く許せないのと同じ。同じです。

 SHISHAMOが、チャットモンチーが、なぜ女子から評価されたのか。朝子ちゃんかわいい〜〜となぜ言われるのか。もうおわかりでしょう。

 SHISHAMOの例よろしく、女が「かわいい」とする女性と、男が「かわいい」とする女性は橋本環奈以外かぶることがないのです。アイドルも女性人気のアイドルと男性人気のアイドルってかぶんないでしょ。

 

 で、曲のセンスが音楽オタク向け。ハイセンスすぎる。

 さっきの曲もそうだけど、何その音?みたいな不協和音ゴリゴリに入れてちゃんと曲になってる。料理めっちゃ上手い人、意味わからん調味料入れて最終的に美味しいでしょ。あれ。あの現象。

 ピアノも上手いしどこかでちゃんと勉強してきた音楽素地があるタイプの人だと思うんだけど、こういうのが好きなのって女性じゃなくてヘンに音楽好きで好きすぎて変な方向に来てるプロ音楽オタクの人だと思うんですよね。

 女性は逆にこういうわかりづらい音楽を嫌う傾向にあると思うんですよ。もちろん全員じゃないけど。今女性人気が高い音楽って全部シンプルな歌モノだし。君に投げつけたアボカド〜みたいな。

 唯一の救いは歌詞は女目線なんだけれど、それもまた乙女心わかりすぎて、女々しすぎて。

 

 極めつけは、男から人気出そうだなってところ。かわいいし。

 ルックスも曲調もそうなんだけれど、なんか男をひっかける無意識下のあざとさがあるなと。俺好きだもん。完全にひっかかってる。

 彼氏がソシャゲばっかやってかまってくれないからソシャゲを嫌いになるように、男が好きなものって女は嫌いなんですよね。俺だってそうだマカロンとか原宿とかシーシャとか全部嫌い。全面戦争じゃ。

 

 どうでしょう、ましのみ。女性のみなさん、男性のみなさん、好きですか?嫌いですか?

 それでは。

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Lucie,Tooはこのまま売れてしまうのか

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 今年は売れるバンドたくさんいそうですね。ところでLucie,Tooをご存知ですか。

 去年末に姿を現すやいなや導火線ゼロで人気爆発した大型新人バンド。それがLucie,Too。なんて言ったら大げさかもしれないけど今本当にキてるガールズスリーピースで、もう既に知ってるという人も多いはず。

 ところでね、話は変わりますが俺は女性の女性性みたいなもんが本当に嫌いで、買い物は長いわ、人の運転中助手席で寝るわ、鍋やるにしてもゴマ豆乳鍋とかやりたがるわ…「みて〜このネイルかわいいでしょ〜」じゃないんだよ。「手○キしづらそうだね〜」ぐらいしか感想でてこねえよ。

 潜在的に甘えてるんじゃねえのかと、人に、男に、世の中に。頼るんじゃねえよと。孤独を抱えて生きろよと。女ども、映画館のガールズデーが許しても、俺はお前らの甘えを許さねえぞと。そういう怒り、俺にはアツい憎悪の火があるぞと。

 

 かわいい許す〜〜〜。飲み代全部出す。マカロンだってあげちゃう。かわいい。

 というわけでLucie,Too。かわいいです。ルックスも、音楽も。ご紹介致します。

 よく女ボーカルでLuckyって曲名つけたな。神をも恐れぬと言うのか。

 この曲、驚愕の一分半。メロコアかよ。

 音楽的に申すところ、以上。マジで普通の曲。良い意味で。バンドはこうでなくっちゃな。

 至って普通の循環コードでイントロ、Aメロ、サビの単純明快な出来映え。時々入るコーラスがかわいい。

 リードギターもいないしコードとエイトビートの上でただ歌うのみ。

 カクテルにおいて、一番バーテンダーの腕が試されるのはジントニックとよく言うんだけど、このジントニックという酒、ジンにトニックウォーターを入れるだけの犬でも猿でもヤバTのベースの女でも作れるような酒。しかしシンプルが故においしく作るのが難しく、バーテンダーの力量を試す良い材料となっている。

 この曲も、ジントニックみたいな曲だなと。誰でも作れる構成が故に良い曲にも悪い曲にもなる。それをちゃんと良い曲として完成させてる。

 

 服装も新機軸でいいなと。

 バンドつったらダルダルのTシャツ姿。っていうイメージがある中で最近はこういうブラウス姿のガールズバンドが増えている気がする。ほら、リーガルリリーとか。

 一昨年ナードマグネットを大ヒットさせたThistimeRecordsからのリリースなんだけれど、下北沢のインディーシーンをシメている彼らが目をかけるのもこういう一歩進んだ琴線からなんだろうと。

 

 他のガールズバンドと比べると、最近流行の湿っぽさみたいなもんがない。ネガティブな恋愛観というか、悲壮感というか。

「あたし、幸せだったよ…(涙ホロリ)(アボカドぽーい!)」

 みたいな、そういうブームじゃないですか今って。そういうのがない。このバンド。恋の真っ只中だったり前兆だったり、20代の恋愛観じゃなくて10代。酸いも甘いもであるはずの恋だけど、彼女らの歌詞の中では甘さばっかり。マカロン。女は本当にマカロンが好き。だから売れるとおもいます。マカロン。

 そんなわけでLucie,Too。この破竹の勢いのまま売れちゃうんですかね。それはあなたがCDを買うかどうか、それ次第。

 ではまた。

 

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プロのレコーディングエンジニアに有名バンドの音源は本当に”いい音”なのか聞いてもらった。

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 良い音楽って何でしょう。物差しはいろいろあると思います。

 その中でも最も普段注目されない部分、”音質”。今回はそこに迫ってみようと思います。

 音質といってもハイレゾ音源だとかmp3だとかwavだとか、そういう話ではなく。今日はレコーディング及びその音をいかに上手く加工したか、つまりミックスと呼ばれる部分の話です。

 バンドの音源というのは、バンドメンバーの自力のみで録られることはまずなくてですね、スタジオを抑え、レコーディングエンジニアと呼ばれる人に音を録ってもらい、それを各々加工し混ぜ合わせバランスを整えたものとなってます。インディーズバンドの音源で、だいたい5曲で40万円前後かけて録られるものなんです。

 というわけで今回は「普段僕らが当たり前に聴いている有名バンドの音源は、レコーディングエンジニアの人から聴いて本当に良い音なのか」検証してきました。

 当然の話なのですが、先に断っておくと、これは曲やバンドの良し悪しの話ではないです。決して。

 あくまで録れ音、ミックスが良いか悪いか。というだけ。

 かなりショッキングな内容になっていますのでご容赦ください。

 それでは。

レコーディングエンジニア浅部太さん37歳(仮名)以下:ア

My Hair is Bad

ア:1回聴いて言えばいいの?

―そうですね。1曲目、キートークにします?

ア:なんでもいいよ!ほんとに。

―(笑)マイヘアからいきますか。マイヘア聴いたことあります?

ア:あの、有名な曲しか聴いたことないなあ…

―ブラジャ〜のホックを〜〜♪

ア:そうそうそう。真赤、だったっけ。


My Hair is Bad – 真赤

 

―はい。どうなんですか。

ア:はい。そうね、全体的な所からいこうか、じゃあ。

―はや。

ア:全然ダメっすね。まず、トータルのコンプが強すぎて。日本的なんだけど、全部が前にペターってなっていて、奥行きが全くないと。
あと、全体的にレンジが狭いね。上から下まで出ているわけじゃなくて、かなりミッドに寄った音になっていて。ギターロックのバンドだからギター推しなのはいいんだけど、メロディックな感じだから、もう少しハイファイに聴かせてもいいんじゃないかなぁと思いますね。
ギターとかも音良いんだけど、オーディオ的に聞くと艶っぽい抜けてくる所が聴こえない。カサカサした感じの音になっちゃってるよね。あとはやっぱバンドだから、もうちょっとキックとベースのどーんってくる所が欲しいなって。

―確かにキックがペタペタしてるような。かわいいキックしてるなぁって思いました。

ア:爆音で聴いてればまあうるさい感じだからいいんだけど、やっぱ洋楽の方が全然音が良くて。全ての音がちゃんと「ここにいるな」「ここにいるな」って見えてくる音ではないよね。マスタリングのせいもあると思うんだけど、そもそも作り方がそういう感じだよね。
歌がちゃんと聴こえてるのは良い。リヴァーブも綺麗だし。ただ綺麗なんだけど、綺麗だなって聴こえるのが歌だけになったところとかイントロだけで、曲に入ると全然聴こえなくなっちゃってるよね。そういう艶っぽさがちゃんと出てくるように整理してあげないと…多分良くなんないよね

―面白。マイヘアに言いたいことはそれくらいですか?

ア:うん。すごい良い声してるね、やっぱりね(笑)天才的な声質だと思う。

―ベース細くないですか?

ア:細い細い。ベース、キックが全然見えてこないの。ベースの聴こえてくる所はジャリジャリしたところだけで。いわゆるベースの役を成しているわけではないっていうか。「春、恋に落ちて」って、絶対キメる所じゃん?そこでドンってこないじゃん。

―はいはいはい。DJ向きの曲ではないってことですね?

ア:そうね、フロアだったらだいぶ厳しいよね、相当EQやらないと。
まあギターロックだからいいんじゃないの、とも思うけどね(笑)

―マイヘアみたいなバンドはこういう音が多いんですかね。

ア:多いけど、日本人的で良くないと思う。で、洋楽とかだと…とりあえず僕が教科書としてるのがOK Goなんだけど…

―あぁ、OK Go。

ア:OK Goってちゃんと整理されてるんだよね。


OK Go – Don’t Ask Me
 

―あーほんとだ!スネアとかもすごいっすね!

ア:ちゃんとこう、空間があってさ。

―ありますね!奥行きがすごい!

ア:ドーンドーンドーンドーンってベースが。これもけっこうギターロックだけどさ、こっちの方が絶対いいじゃん。

―そうですね、聴きたくなる。聴いててめっちゃ気持ちいい。

 

KEYTALK

―KEYTALKは2曲聴こう。最新と昔。昔の方から!


KEYTALK – トラベリング
 

―やっぱ小野武正って天才なんだな… すごくないですか、ギター? でもOK Go聴いちゃうとしょっぱいですね(笑)

ア:まず、音がペラペラだよね。要は、全体としてハイが出過ぎだよね。
各々がどうとかじゃなくて、ツーミックス(ステレオ全体の音)全体で見て、ハイが出過ぎていて、全然ガッツがない曲になっている。
シンバルがめっちゃうるさくて耳障りだよね。で、そのハイの出し方も、シンバルの「シャンシャン」が全体でグッと上がってる感じがしていて。
シンバルの中の抜けてる部分だけ出てればいいんだけど、全体がガッて出ちゃってうるさくなってる感じがしますね。
各々分離は良くて、ベースもキックも聴こえる。ただ、スネアの上に寄っている所が、歌の高域とシンバルの高域と混ざっちゃって、あんまり良い音に聴こえない。

―良い曲だけど、音はペラペラだなぁと思いました。

ア:すごいインディーズ感がする。これを聴いちゃうと、もっとドラムを重い音にしようよって思っちゃうよね。ミッド、ローが基本的に足りないのかな。音がペラペラにつきるのかなぁ、これは(笑)

―KEYTALKに関しては最新曲と比べてみて欲しいですね。


KEYTALK – ロトカ・ヴォルテラ
 

―曲、ヤベえな。誰だよこれ。聴いた瞬間に、もうインディーズ時代とは違うんだなぁって。

ア:まず、全然ダメだねこれ。

―ほぉぉ。メジャーの曲なのに、ですか。意外。

ア:もうごっちゃごっちゃしてて、何がどこで鳴っているのか全く分からないよね。
曲は、KEYTALKってギター、ギター、ドラム、ベース、歌で、ちょいちょい打ち込みっていうのは基本変わらないんだよね。だけど、一個一個の周波数の帯域を整理できてなくて。全部がミッドローで渋滞しちゃってて。
パッと聴いて圧力はあるんだけど、ただそれだけっていう。

―素人が聴くと、良いって思っちゃったんですよねー。圧があるから。でも、さっきのOK Goと比べると整理されてないなってのは凄いわかる。

ア:すごく…その…プロっぽくない(笑)周波数の整理ができないって、エンジニア的に初歩でつまづく所なんだよね。まぁ、あえてやってるのかもしれないけど…打ち込みも高いところだけ聴こえてて、耳障りだし。

―ボーカルが聴き取りづらいと思った。

ア:歌に関しては、ハイにすごい変なピークがあるの。周波数的に極端に出てる所があって、芯のないような音になってる。
あともう一個重大なやつがあって…歪んでる。特にドラムかな。ビリビリッて聴こえる所があるから。
マスタリングのせいじゃないのかな?それも周波数がちゃんと整理できてないから、渋滞している所はそこだけ大きくなって、そこでビリビリって歪んじゃってる所があって。
例えばオルタナのバンドで、たまにワッシャーってなって、ビリビリってなるのがカッコイイのは分かるけど、こういうバンドで歪ませちゃダメでしょって思う。

―全然関係ないですけど、ギターのテクはどうですか。

ア:クソ上手い。

―キートークを聴いてみて、総じて言うと?

ア:小野武正はヤバい。あと言い忘れたんだけど、ドラム、トリガーしまくってるのバレバレ。

―最近ライブとかでも使う人多いですよね。

ア:ライブで使っていいのはエモ系の人たちだけだよ。slipknotとか(笑)
まぁトリガーみたいなのはみんなやってて。それでもバンドはもっと生に近く聴こえるようにするもんだけど…

※トリガー:ドラムが叩かれたときに同時に別の音源が鳴るようになる装置。メタルなどで音を均一にするために使われることが多い。

 

クリープハイプ

―次行きますか!


クリープハイプ – バイト バイト バイト
 

ア:これは悪くない!レンジは狭いんだけど、今まで聴いた4つより良い。もうちょっと真ん中寄りの上あたり。歌の上の帯域が全体的に聴こえたらいいのかなぁとは思った。あと、ドラムが微妙だね。キックとベースの帯域が被りまくってて、キックがキックらしく聴こえないなって。

―なるほど。

ア:ドーン、ドーン、ドーンってローの部分がベースに掻き消されちゃっている割に、アタックのバチッバチッって所が出てないから、キックがふわふわしてる。

―分かんなかったー!

ア:っていうのと、スネアの位相が悪いかもね。

位相っていうのはこう、波があって…これと逆の波をぶつけると音が消えるのね。

―はいはい。

ア:スネアのオンマイクと、その他のマイクとの位相が悪くて、スネアの芯があるところが聴こえてこない。パスンパスンっていう胴が鳴ってる音は出てるけど、とにかくスネアの音が軽く聴こえる。ミックスのせいなのかどうなのか分からないけど。

―それを踏まえてもっかい聴きてぇ。

ア:まぁ、狙ってやってるんだったらごめんなさいって感じなんだけど。
あとは…クリックが漏れてる(笑)事故だね。

―えっ!?(笑)そんなことってあるんですか??

※クリック:演奏している人が聴いているメトロノームのような全体でテンポを合わせる為のもの。ヘッドフォンから「ポッポッポッポ」と一定に聞こえてくる。

ア:音って伸びるとどんどん小さくなっていくでしょ?シャーーンって。
でもクリックは一定の音で鳴り続けてて、それがヘッドホンから漏れてるわけ。曲の終わりの部分聴いてみて。

―あ、本当だ。曲の一番最後小さく「ピッピッピッピッピッピ」って言ってるコレ。事故ってる。

ア:で、コンプをかけてるから、スーってドラムが落ちるのに対して、全体の音は上がるの。だからクリックが聴こえてくる。

※コンプ:音の強弱の差を縮小する効果があるエフェクターの一種。

 

Suchmos

―なるほど。じゃあ、Suchmosいきます?人気の曲たくさんありますが…

ア:……………STAY TUNEでしょう。

―ですよね(笑)


Suchmos- STAY TUNE
 

―はい。どうですか…

ア:素晴らしい。

―アサべさんがこれはベタ褒めするから良く聴こえちゃうのか分かんないけど、やっぱり良く聴こえるんだよなぁ。

ア:いや、良い、これは。まず、ベースはデカいじゃん。ありえないくらいデカいんだけど、何も邪魔しないわけ。キックのアタックも胴鳴りも聴こえるし、シンセのキラキラも綺麗に聴こえるでしょ。それは、何も被ってないから。
音数少ないのもあるんだけど、それにしても分離がめちゃめちゃいい。ギターも音大きくないんだけど、ちゃんと聴こえるじゃん。

―デカいクラブとかでSTAY TUNEしちゃっても、良く聴こえちゃう?

ア:そう。聴こえちゃう。ベースもドラムもちゃんと聴こえているから、フロアでもドンドンドンって鳴らしやすいし。すごく洋楽的。

——ちなみに、最後のアウトロはまじでカッコ良すぎる。

ア:そこまで冷静に、どれも多くしすぎず分離して配置されてる中で、最後にバンってくるから、カッコイイじゃん。迫力を殺さないっていう。さっきのマイヘアとかは迫力が死んでる。その波を作るのはミックスの仕事でもあるから。
今の日本はだいぶコンプで潰しちゃうから、波が無くなっちゃう。マスタリングで潰されても波が出るようなミックスをするのが良いエンジニアだね。

 

ポルカドットスティングレイ

―あ、そうだ。ポルカドットスティングレイ聴いてみてくださいよ。音ペラッペラだから。


ポルカドットスティングレイ – テレキャスター・ストライプ
 

ア:うん、ミックスバランス悪くないよ!ノリもいいし。

―え、ギターの音がギャグみたいに聴こえるんですけど。

ア:俺の印象だと、安い機材を使って、良いミックスをしたのかなっていう印象。ギターとかも、JC120感がすごくて。ちょっとイナタい、枯れたような音。その割に、弾いてるフレーズはちゃんとパキッとしていたい、みたいな。
ドラムに関しても、キックの音が、ちゃんとしたキックのマイクで録ってないような印象があって。ちゃんとローが録れてない。その割に、ちゃんと分離して聴こえるから、ミックスは良いなって思った。

―俺この曲、ベースが何やってるのか全然聴こえないんですけど。埋もれちゃってるっていうか、潰れちゃってるっていうか。

ア:音色的に、抜けのいい音色ではないかもね。低いローはちゃんと出てる。ベースのすごい低い所、あんまりベースだって認識できない所は出てる。だから、全体としての迫力はちゃんと残ってるんだけど、確かにラインは見えづらいっていうのはある。単純にベースがちょっと小さいし。

―ミックスいいんですね、これ。

ア:うん。ただその…歌が。歌だけすごくデモ感がある。「やっすいマイクで録ってんな」っていう音になってしまっている。だから、「インディーズです、自主制作です」って聞いたら、すごいねって俺はたぶん思う。

―なるほど。

ア:歌をそういう音にしたのか、それとも、そうしかできなかったのか分かんないけど。

―じゃあちょっと、新しいの聴いてみましょう。あ!同じ曲ある!テレキャスター・ストライプ(全知全能ver.)!撮り直しかな。これなら予算が出たらどうなるのか比べられますね!


ポルカドットスティングレイ – テレキャスター・ストライプ(全知全能ver.)
 

―ミックス違いかな、これ。でもベースはよく聴こえる。

ア:なんとも言えないなこれは(笑)正直、上物の印象は変わんない。やっぱり、ギターと歌はペラい。JC感がすごい。撮り直したのなら、こういう音が好きなのかなーって感じ。
特に左のバッキングの芯がない。テレキャスターにしても、テレキャスターの部分でなく、JCのディストーション上げた時の、上のサラサラっていう歪みの部分が多くて。キーンっていう音じゃないなっていう。

―そこまでくるともう全く分からないわ。

ア:歌の音はやっぱり変。ミッドにすごく特徴があるというか、レンジが狭いっていうか。抜けてくる声じゃないっていうか。

―でも、良いミックスっちゃ良いミックスなんですか?

ア:悪くはないけど、普通って感じ。良くも悪くもない。(旧録と比べて)違うは違うんだけど、傾向は一緒って感じかな。それこそクリープのインディー版とメジャー版は全く違うけど。

―違うの聴いたほうがいいかな。


ポルカドットスティングレイ – レム
 

ア:ちょっとまって、歪んでるな。俺のせい?歪んでるの分かった?

※歪んでるというのは音量が規定デシベルを超えて割れている状態のこと。

―いや全然。

ア:すごい事故った感じで歪んでるの。機材のせいなのか、本当にこれ(楽曲)のせいなのか検証していい?

―お願いします。

ア:(再聴して)やっぱ歪んでるわ、これ自体が。良くないね(笑)

―クリッピングしてる?

ア:クリッピングしてる。ここ分かってほしいなぁ。サビ終わった後の間奏の部分とかわかりやすいと思う。両方のギターを聴いてみて。

―ギターの歪みではない?

ア:ではない。

明らかにオーディオ的な。

こういう、意図しない歪みはいいのかしら?と思ってしまうんだな。マスタリングかもしれないけどね、これに関しては。曲全体で言ったら、うーん…普通って感じ(笑)

―音は良くなったなって気はするんですけどね。安い機材で頑張ったって感じではなくなってますよね。

ア:うーん。逆にいい機材でこれだったらちょっとなって感じ。いい機材使ったんだったら、もっとそういう音にしないと、って思う…

 

―次は…おいしくるメロンパンで。

ちょっと耳がね、分かんなくなってきたかもしれないから、リセットしーよっ。

―OK Goで

OK Goで(笑)


OK Go – Don’t Ask Me

 

―イヤー集中切れたね。

ア:なんか好きな洋楽流していいよ。洋楽の有名曲って、だいだいミックスいいから。


The Kooks – Sofa Song
 

―どうすか?

ア:素晴らしい。アコギもちゃんと聴こえるし。ドラムも、派手なドラムじゃないんだけど、ちゃんと汚れずに聴こえるし。

 

DYGL

―逆にこれ聴きたいっす。日本人で、海外で録音したっていう。DYGL。


DYGL – All I Want
 

ア:ああ、いいね。どこになにがあるかちゃんとわかる。リヴァーヴ感もわかる。一見レンジ狭そうな音だけど、レンジ広いね。全体の中で、ちゃんとバランスよく上から下まで出てる。ガレージだよね。リバティーンズもこんな感じ。

―—さて、おいしくるを聴きますか。

 

おいしくるメロンパン


おいしくるメロンパン – 色水
 

ア:うん。バランスは良いね。ただちょっとこぢんまり聴こえるのはあるかもね。それはコンプのせいだと思うんだけど。コンプ強めでペタって前にきてる感じがある。けど、音数少ないし、そんなに歪んでないから、空間は見える。ただドラムが…

―カラオケみたいな…?

ア:それは単純に、上手くないからだと思う。そもそもドラムの良い音を出せていない感じがすごくあるね。チューニングもそうだし。ドラムに関しては録り音っていうか、出音がだいぶ重要だから。

―でも全体的には良いと。

ア:うん。バランスは良い。良いです。

―少な、感想。でも良いミックスなんですねこれ。じゃあ最後、セカオワいきますか。

 

SEKAI NO OWARI

ア:はい。何いきましょうか。

―ドラゲナイでしょう。ちなみにドラゲナイ、外人が聴くと発音良いって思われるらしいよ。


SEKAI NO OWARI – Dragon Night(英詩)

 

ア:いいです!文句なし(笑)

―いいですよね。バンドじゃねえ、EDMだよ(笑)

ア:これは良いです!一応言うと、歌の音質が素晴らしいね。すごい艶っぽいし、バッ、バッとこう、刺さる声の音質ではある。で、ローは少ないんだけど…

―そんなに近所迷惑な感じはしないですね。

ア:ベースはもっと欲しいんだけど、上の帯域の整理がすごく素晴らしいから、リズム感もすごい分かるし。もっとEDM的にするんだったらキックをドンドン入れても良いかなとも思う。

―例えるなら何っぽいですか?

ア:パッと聴いて思ったのは、テイラー・スウィフトっぽいと思ったの。全体的にツヤっとした音にして…

―そうじゃなくてもっとこう…ラーメンかなんかに例えるなら…

ア:そういうことね(笑)料理で例えると…えっとね、日本の、ミシュラン一つ星のフランス料理って感じ。

―(笑)

ア:本場のものではないんだけど、評価されるような音にはなってるみたいな(笑)

―やっぱりドラゴンナイトすごいね。プロに聴かせるとドラゴンナイトは良いという。締まりましたね!

ア:良いと思っちゃった。けど、バンドではない(笑)

―最後の方のバンジョーみたいなのあるじゃないですか。あれ人間弾いてるんですかね。

ア:弾いてる、多分。あのバンジョーも、すごく良いバランスで出てきてくれたし。何も被ることなく、ちゃんと主役ですよって感じで聴こえるし。出るとこ出して、出さないとこ出さないっていうバランスも、すごい良いなって思った。さっき言ってた、のっぺりしたようには絶対ならないです。

―マイヘアとは全く違いますね。金かかってるんですかね、こういうのって。

ア:基本、録りはないでしょ、ほとんど。すごいアレンジャーに頼んで、アレンジしてもらってって感じじゃないの。シンセの音色選びも多分すごいし。生に比べて打ち込みって、ミックス的に難しくはないんだけどね。そもそも邪魔な帯域がないような音になってるから。

―面白かったわ、ドラゴンナイト。

ア:良かったねぇ。

―結果、日本人聴いた中で一番良かったのは何ですか?

ア:Suchmosでしょ。

―やっぱりドラゴンナイトVS Suchmosでも?

ア:Suchmosでしょ。サチモスは基本、全部生でやってる。生であれだけできるのは本当すごいと思います。
総括して、日本人で良いミックスする人ほんといないなっていう(笑)日本的な音がやっぱ多い。全体の傾向としてはペターっとしてるし。

―読者に対して、こういうところ聴いて欲しいなって所あります?エンジニア視点から。

ア:正直にいうと、ユーザーにエンジニア的な聴き方は求めていないです。

―なので気にせずに聴いてくださいと。

ア:気にせずに、音が良い曲を聴いて欲しいです。ミックス的なものは、無意識に良いなって思う、一つの要因になれば良いなって思うんですよね。
一つ言えるのはディレクターが頑張って欲しいなって思います。あなたは、弁当を頼む為にいるわけじゃないぞと。売れる為のテイクを精査していくのが仕事だって思ってるディレクターがもっと欲しいと思います。

 

おわりに

いかがでしたでしょうか。クリープのクリックが漏れてたり、サチモスはやっぱり良い音だったり、意外な発見がありましたね。

普段あまり気にされないミックス部分ですけれども、良いスピーカーやイヤホンでちょっと注意して聴いてみたらまた面白いんじゃないかと思います。

それでは。

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音楽業界を荒らし回る”ライブキッズあるある中の人”とは何者なのか話を聞いてきた。

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 ”ライブキッズあるある中の人”という人物をご存知でしょうか。俺はよく知りませんけど自分で”中の人”という感じがなんか嫌です嫌いです。週刊文春が文春砲とか自称しちゃうのと同じ嫌さがある。

 そんな彼ですが、実は知られざる水面下。一部の音楽ファン若年層、いわゆる「ライブキッズ」という人たちの間で看過できない一大ムーブメントになっているのです。

 正直、気に入らんのです。バンドが曲つくって録ってツアー回って血涙流しながら必死こいて活動してやっと立てるステージの上に、Twitter上でちょっと人気になったぐらいでチャラチャラDJしてるのが、そんでそれがバンドより盛り上がっちゃう客層が。流行の人気曲流してそれでモッシュできるならバンド、いらなくないですか?何がライブキッズなんだよと。

 そんなわけで気に入らないついでにインタビューしてきました。

 彼が何者でどういった理念があってこの活動をしているのか根掘り葉掘り訊いてきました。それではどうぞ。

―ではお名前をどうぞ。

ラ:ライブキッズあるある中の人です。”あるある”と呼んでください。

―それが正式名称なんだ。名前変えた方がいいんじゃない?もう有名になってきてると自分でも思ってるでしょ?

ラ:いやいやそんな、僕なんて…。1アカウントの管理人なので。

―なーにを思ってもないことをこの野郎!!今日という今日は化けの皮剥がしたるけえのう!!ではまあ、インタビュー形式でやっていきましょうか。あるあるさんは何者なんですか?DJなの?

ラ:一応根源はですね、ツイッターの「ライブキッズあるある」っていうツイッターのアカウントの管理人…石左さん嫌いでしょ?

嫌い嫌い。なんで嫌いかって、ああいうのって現代的なものですごく賢いと思うんだけど、言い方を選ばないでいうと、やり口が汚い。なんか、ずるいなぁって、そういうのが正直な気持ちです。

ラ:あー、でも僕も自分がやられた立場だとしたらそう思うと思います。

―多分同族嫌悪なんだよね。嫌いでしょ地下室TIMES?

ラ:僕昔はすごく読んでたんですけど、ディス記事を書かれて…。

―え、書いたっけ?(笑)

(件の記事:ミオヤマザキとか、ライブキッズあるあるとか、ヤバTとか、嫌いですか?

ラ:忘れてるやん!で、その記事の中で写真を勝手に使われたのと、噂レベルの話を書かれたので、「はぁ?」ってなって。どうなんですか、そこのところは。

―訴えられる気概はある。別にそれは悪意があるとかではなくて、読者にわかりやすくしたくて使っているというか。画像の本人に取り下げてくれ、って言われれば取り下げるし。

ラ:じゃああの記事消してくださいよ(笑)

―やだ!!なんかそう言われると嫌だ!!じゃあ本人が否定しました、と入れておきます。

ラ:ユニバーサルの件もありましたけど…。(ユニバーサルミュージックにポルカドットスティングレイの記事の件で訴えられかけた件)

―あれは記事自体に怒ってきたんだよね、名誉毀損だ!っつって。

ラ:でもあれってただのレビューっていうか、石左さんの見解を述べただけですもんね。

―そう、個人の感想だから、取り下げたりはしない、っていうのが俺たちの意見で。俺は「売り方がダサい」っていう意見で、それは名誉毀損には当たらないと思ってるし、裁判にも勝てると思う。

ラ:僕もそう思う。でも、僕のやつは僕が勝ちますよね(笑)

―勝てるね(笑) 著作権違反だから(笑)ハッハッハ。すみませんでした。

 

一体君は何者?

―じゃあ話戻すね。ツイッターのアカウントの管理人なのはわかったんだけど、どういう経緯で今みたいに手びろい活動をするようになったの?

ラ:そうですね…。ツイッターのアカウントでああいうことをやりだして、少しずつフォロワーが増えていってたんですけど、僕ってもともとライブハウスで働いていたんですよね。で、働いていた時に出演したバンドマンの人から「フォロワーめっちゃ多いらしいなぁ、出てや」って言われて(笑) で、「出て、って何?」ってなっちゃったんですよね。何をしようか迷った末に「ライブキッズが喜ぶDJをやるか」と思い立って、そこから機材も揃えたりしてやりだしたのがきっかけですね。そしたらフォロワーもおるし、いろんな方面からお呼びがかかっていった感じですね。

―へぇ。フォロワーってのはやっぱ正義なんだなぁ。

ラ:でも一番はライブキッズあるあるからブレたくないっていうのがあるんですよね。マスクも、「顔隠したいだけちゃうん?」ってよく言われるんですけど、違うんですよ。マスクも、このアレキサンドロスの川上洋平みたいな髪型も、ライブキッズがしがちな格好じゃないですか。ディッキ履いてバンTきて。こういう、ライブキッズからぶれないようにしてるだけで。

―はぁー。それは読者も納得すると思うよ。顔隠す必要ないくらい普通にかっこいいもんね。で、他は何の活動をしてるの?

ラ:他はラインスタンプ出したりとか、割と細々とした活動を…。

―ファン抱くのは活動の一環すか。

ラ:抱いてない(笑) ほんまに抱いてないですから(笑)

―あー、じゃあ本当にファンには手を出してないんだね。ファン以外は?

ラ:ファン以外は抱いてますよ!自由恋愛なんですから。

 

ライブキッズあるあるの目的

―さっきライブキッズあるあるからブレたくない、って言ってたんですけど、もともとあれって何のために作られたアカウントだったの?きっと何か目的があって作ったんじゃないかなぁって思っていたんだけど。

ラ:本来の目的はですね、ふわっとしてたんですけど、ライブハウスでブッキングをしてると一組目が決まらないんですよ、イベントの趣旨となるバンドというか。やっぱりそういうのを集めるためには何かこちらも武器というか、何か目をひくものが欲しいなぁと思って、いろんなコンテンツをやって、当たったのがたまたまライブキッズあるあるだったんですよね。それが出発点でした。だからDJを始めたのも、「あぁ僕が一組目になれるなぁ」って思ったり。一番は推してるバンドのライブを組みたいなぁっていうのがありますね。

―なるほどね。話してみたらすごくしっかり考えてるんだね。でもごめんね、ここで一個だけ意地悪な質問をさせてもらいたいんだけど、バンド側から「ライブキッズあるあるが盛り上がりすぎている」っていう意見があるんだよね。有名なバンドの曲を流してるだけなのに…っていうやっかみ。それに関してはどう思うの?バンドを応援しているのに、逆に噛み付かれるっていうのは。

 

ラ:それはやっぱ、コンテンツとして、DJとして自分が強くならないと人なんかこないわけで。僕が嫌いなのはDJがバンドイベントを開催して、それで客が集まったら「俺らが売った」みたいなことを言うことなんですよ。それって、DJの集客ってたぶんめっちゃ少なくて、多くはバンドが呼んでると思うんです。DJはおまけ程度で、ただのブッキング能力が高いだけの集団のくせに…って思っちゃうんですよ。そうじゃなくて、僕はDJがしっかり強くて、客を呼んでこれて、そこにそのDJが見せたいバンドを呼ぶっていうのが理想だと思うんですよね。そもそもDJって、ネットやユーチューブが発達する前は、DJが好きな曲をかけて、そこから音楽を知っていくっていう役割があったわけで。でも今の世の中では自分で探せるようになっているし、じゃあどうやってバンドの良さを伝えるか、って考えた時に、それは生のライブが良さを一番出せると思ってるんです。だから僕は、自分の企画したライブで自分の好きなバンドを知って欲しいから、自分のはコンテンツとしてしっかりと振り切って、自分でお客さんを呼んでこれるようになりたいからフェスでDJしたりとかもしてるんですよね。だからまぁ、やっかまれても仕方は無いし。僕は自分が好きなバンドを推すだけですからね。

―自分のパワーで自分の好きなバンドをフックアップをしたいってことなんだね。

ラ:そうです!BASEMENT-TIMESも多分目的は一緒だと思うんですよ。その手段が違うだけで。多分ですけど、僕のことを好いてくれてる人たちは、僕らみたいなスレた奴と違って純粋な子たちが多いと思うんですよ。だからライブに来てくれたら、「うわ!すごくかっこいい!」って思ってくれると思うし。

―純粋っていうか、ライブにまだ行き始めたばかりの、本当の意味でのキッズ。そういう子たちは素直だもんね。だからリビジョンとかにも夢中になるし。

ラ:そういう子たち、自分の好きなバンドのワンマンしか行かない、みたいな子たちを、ライブハウスのシーンに引っ張って来たいなぁって思うんですよね。DJ単体の話なら、僕がDJを聴いてて「おっ!」ってなった瞬間って、自分の知ってる好きな曲が流れた時なんですよ。つなぎとか、ある種のテクニックは一切気にしていないっていうか。だから自分も、「見にきているお客さんが絶対知っているような人気の曲をかけよう!」とは心がけているつもりですね。だから、DJとしてはそういう有名曲をチョイスして、まだ誰も知らないようなインディー系はイベントに呼ぶ、って考えてます。

―これ言っていいのかわからないけど、あるあるくんは、狙っているとは思うけど割と「低年齢向け」コンテンツだと思うんだよね。そんな中でやっていて人気もあって集客もすごくあると思うんだけど、「俺がフックアップしたぜ」っていうバンドはいるの?

ラ:それこそ、リビジョンとかですかね。あとおいしくるメロンパンは去年一昨年の11月とかに企画やツアーに読んだんですけど、、、全然知名度はなかったけどすごくいいリアクションをもらえたし。

―そうなんだね。リビジョンとかは単体ですでに強くなっていってるし、おいしくるも俺は嫌いだけど絶対売れると思うんだよね。

 


おいしくるメロンパン – look at the sea

 

フリートーク

―いや、でも今日会ってわかったけど、俺たちの間にあるのは同族嫌悪だというのは。

ラ:間違い無いですね。僕からしたらすごく稼いでそうだし。

―金なさすぎて毎日そうめん食ってるんだけど。じゃあうちのノルマなんだけど、嫌いなバンドっている?先に聞けばよかったんだけどさ。

ラ:そうっすね~…、僕大学時代に軽音サークルでボーカルだったんですけど、声がすごく普通で。なので、ボーカルが決まらないようなバンドに呼ばれて歌うことが多かったんですけど、その中で知らないバンドの曲とかも歌っていくみたいなのがずっと続いたので、あんまり嫌いな属性とかはないんですよね。

―俺だったら、リビジョンとかはエンタメとしては面白いし絶対売れると思うけど、俗っぽくて無理なんだよね。あるあるくんはそういうのに対して抵抗がないよなぁって話してて思いました。それを踏まえて、「それでも嫌い!」っていうのはいないの?

ラ:石左。

―殴るぞ。

ラ:ははは(笑) でも今日でちょっと好きになりましたよ(笑) でも僕は嫌いっていう概念…例えば「マクドまずいから嫌いや」みたいなやつには「いや、美味しくないけど食えるやろ!」って思うんですよ、嫌いっていうのは、オエッ!ってなって食えたもんじゃないようなもので。だからバンドに関しても「好きじゃない」バンドはたくさんいるけど、「嫌いな」バンドはいないんですよね。

―1バンドもいないの?すげぇな…。ミオヤマザキは?

ラ:え、すきすき。

―あいみょん!コレサワ!

ラ:曲によるけど好きですよ!

―曲によるっていうのはずるいんじゃないの!ちょっと!

ラ:いやいや、そんなことないですよ(笑)

―…いやでもこうして並べると俺、女嫌いだな、ポルカドットスティングレイとかさ。

ラ:僕は、嫌いではないですけど、好きじゃないバンドに関して言えば「個性のないバンド」があんまり好きじゃないですね。

―はぁ…例えば?

ラ:関西で言えば客がいない奴らとか、例えば「俺らメロがいいんで!」って、そんなのは当たり前で、そこから自分たちの個性を出していくのが正解でしょう!って思うんでうすよ。しかもそういう奴らに限ってメロも普通だし…。

―いい回答だ。一番いいですよ今までより。 じゃあ、ライブキッズあるあるやってて辛かったなぁ~ってことは?

ラ:それはもう、地下室タイムスに記事を書かれたことですよ。

―ハッ

ラ:それで僕、病みましたからね…ほんまに不眠症になりましたからね!

マネージャー:あるあるね、意外と真面目だからさ(笑) 俺らからしたら「いいじゃん、美味しいじゃん!」って感じなんだけどさ。

ラ:いや僕マジで怒ってましたからね!ずっと怒ってた!

―あの記事にそんなに悩まされてたのか…。

ラ:いや、記事っていうか、あの記事のせいで不特定多数にすごく叩かれてたんですよ、その時。でもおかげでメンタルは強くなりましたね(笑) 本当に一番辛かった(笑)

―取れ高あるなぁ~!

ラ:後、周りもね、すごいいうんですけど、ライブキッズあるあるなんか儲からないからな…サーキットフェスなんてギャラも出ないし、交通費も出ないし、ライブキッズあるあるで言えば経費もろもろでギリギリ赤字ですからね(笑) 僕、他にも働いて金稼いでるわけで、ライブキッズあるあるは純粋に「バンドを応援したい!」っていうだけですよ。

―では最後に、「ライブキッズあるある」として、こうしていきたい!みたいな、夢とかある?

ラ:夢か…夢は…でも一番は市場の活性化やと思ってます。ユーチューバーとか無料ゲームに取られている若い子たちを、もっとバンドやライブハウスに引っ張ってこれたらいいし、その窓口の役割を果たせたらいいなぁって思ってます、その後僕の嫌いになってくれても全然いいし(笑) 音楽業界の人たちって、他の音楽とどう戦うかって考えてるけど、違うと思うんですよ、音楽の敵は他の娯楽なんだと思うんです。

―そうだよなぁ。すごくわかる。音楽の敵って他の音楽じゃなくて、他の娯楽、ソシャゲとかユーチューバーなんだよね。

ラ:音楽聴いてる人ってすげぇ少ないんですよ。でも無料ゲーム…シャドウバースとかツムツムとかはやってる人多いし。

―この間さ、居酒屋で隣に座ってた女子大生と話してて、話すこともないから「どんな音楽好きなの?」っていうことを聞いたら「わかんない」って返答だったんだよね…。音楽聴いてねぇんだよな。

ラ:そうなんですよね。でも、他の音楽以外のコンテンツに勝って、そこに裂かれている時間を取り戻せれば…とは思うんですよね。フェスに60,000人いく、って言っても、年一回でそこで終わっちゃう人が大半な訳で、ライブハウスに来る人はほんの一握りなんですよ。だから、まずはライブハウスに来て欲しいなぁと思ってます。

―いや、ほんとね、ここで一個だけ謝らせて欲しいんだけど。やりまくってるとか書いてほんとすみませんでした…。真面目に考えてやってるんだね。見直しました。

ラ:もういいよ(笑)人に嫌われても批判されても新しいバンド、良いバンドをフックアップしていきたいです。僕は。

 

バンドのフックアップ

 同族嫌悪だとは思っていたんですけれど、話を聞いて余計にシンパシーを感じました。一部の人に嫌われてもバンド音楽を盛り上げたいって強くて素敵な考え方だなと。

 僕のように彼をなんとなく嫌いだった人、逆に元々ファンだった人、その両方が彼の活動や考え方をほんの少しだけどわかってもらえたら嬉しいです。

 最後に、画像の無断使用の詫びを兼ねてリリースとツアー情報を。特にライブはライブキッズなら無料という太っ腹な内容になってますので是非。

 それでは!

【「ライブキッズのための名曲集」情報】

ライブキッズのための名曲集 ライブキッズのための名曲集
タイトル:「ライブキッズのための名曲集」
発売日:2018/3/14(水)
品番:ARAR-0001
価格:1200円(税別)
収録曲:
1.ドラマチックアラスカ 「ライブキッズあるあるのテーマ」(オリジナル楽曲)
2.POT 「Choo Choo TRAIN」
3.バックドロップシンデレラ 「おしえて(アルプスの少女ハイジ主題歌)」
4.THE NUGGETS 「TRAIN-TRAIN」
5.オメでたい頭でなにより 「マル・マル・モリ・モリ」
6.ReVision of Sence「Sex On The Beach」

 

【「ライブキッズのための名曲集」リリースツアー「ライブ行きたい〜CDリリースツアー編〜」日程】
3/20(火)静岡UMBER
3/27(火)神戸太陽と虎
3/28(水)岡山CRAZY MAMA 2nd Room
4/2(月)仙台CLUB JUNK BOX
4/3(火)新潟CLUB RIVERST
4/4(水)金沢AZ
4/11(水)鹿児島SR-Hall
4/12(木)小倉FUSE
4/13(金)高松MONSTER
4/18(水)大阪梅田BananaHall
4/19(木)名古屋RADHALL
4/25(水)渋谷チェルシーホテル

※全公演ライブキッズ無料(ドリンク代別途必要)
※出演:DJライブキッズあるある中の人/バンド複数
※応募方法:ライブキッズあるあるのTwitterにて受付中

ライブキッズあるある(Twitter)

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バンドはユアネスみたいな売れ方も参考にすべきだ

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 ライブハウスから叩き上げで売れるバンドが俺は好きなんだけれど、それはもしかしたらもう古い考え方なのかもなと思ったのはこのユアネスというバンドからだ。

 昔は、といっても90年代生まれなので当時を過ごしたわけではないが、話では驚く事に当時はスマホもインターネットもなかったらしい。最低限文化的な生活とは?家で何してたんだ?メイプルストーリーか?は?

 そんなローテクアナログ世紀だったのでバンドが売れるにもライブハウスを起点とした口コミからでしかなく、イカ天を代表するようなテレビ・ラジオ番組に出演するにもとにかくライブハウスでのし上がらなければ話にならなかった。そういう時代だったらしい。

 俺はそういう時代に憧れがあるというか、単純に叩き上げで売れるバンドストーリーがかっこいいしそれこそ本物だ!という偏った信仰があるため「バンドはライブから評価されていくべき!」みたいな軸がある。なので、マイヘアとかクリープハイプみたいなバンドは売れ方からしてかっこいいなあ。ヤバTとかポルカドットスティングレイとかミオヤマザキみたいな売れ方は何か、なあ。ずっこいよなあ。とか思っちゃうわけです。

 のだけれど、これだけインターネットが発達した現代、そんなこと言ってる方が遅れてんのかなあとか思う自分もいる。ユアネス。このバンドはよく言えばすごく現代的なプロモーションをしている。

 というわけで今日はこのユアネスというバンドから現代の音楽プロモーション、なんつったら難しいか。宣伝手法について、考えたいと思います。

 ボーカルの、黒川くんです。

 見ての通り弾き語り動画なんですけどこれがかなりシェアされてるんですよね。

 シェア。

 SNS上におけるシェアってのは非常に短絡的で、ワンオクの人気曲やらボーカロイドの有名曲やらをアコースティックアレンジして弾きがたれば、そこそこに頑張っているバンドの新曲発表の軽く10倍はリツイートされるのが現代のインターネット。ツイッターの人々は結果的に人が死ぬ4コマ漫画とか1+1=2みたいな内容の恋愛ポエムが大好き。

 きゃっ!赤くなっちゃう…!やり場のない怒りでな!!マサヒコ!!!コラ!!!

 それを逆手に取ったのがこの人黒川。片っ端から有名曲を弾き語りシェア拡散。リツイートアンドリツイート。アコースティックギターの音色が女の下腹部に響きまくる。イエスインターネット。もう俺たちに居場所はない。

 そんな手法で

 

 見事に初動回転に成功。インターネットの正しさの塊。イエスインターネット。数の暴力。リツイートは正義。ライブハウスで数人いるかどうかわからん、ましてはファンにできるかなんて本当にわからん客にノルマ万札払って演奏見せるより圧倒的に効率的。死にたい。

 なにがキツいって、曲すげえちゃんとしてる。歌詞性も現代的だしメロディもいいし、音楽性は00年代の残響系っぽいけどモノトーンでオーバーサイズな服装のサブカルにはウケそうなサウンド。福岡のバンドだけど、渋谷乙でウケそう。

 

 ツイッターの人が死ぬ系4コマをそのままMVにしちゃうという大胆な戦略。マジかよ。なんでもありかよ。

 でも実際問題これがウケてるんですよね。みなさん。どうすか。特にバンドをやっている人に問いたい。

 一定の反感は間違いなく買うとともに、絶対に参考になるところがあると思うんです。

 みなさんもこのバンドを見習ってちょっとインターネットでの宣伝方法を模索してみてはどうでしょうか。

 それでは。

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札幌のロックシーンについて マイアミパーティ x ズーカラデル 対談

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 いつの時代も下北のバンドはフェンダーのギターを使うし、関西のバンドは全体的にちょっとゴリっとしてたり、京都はなんかはんなりしてたり。

 バンドの地域差って思ったより色濃くでて面白いですよね。ただその反面、その地域のライブハウスに通ったりしないと中々理解しずらいのもの事実。

 ということで今回は札幌をメインに活動するマイアミパーティとズーカラデルの両バンドに”札幌のシーン”にフォーカスを当てて取材してきました。

左:吉田崇展(ズーカラデル Gt,Vo)
右:さくらいたかよし(マイアミパーティ Gt,Vo)

 

始まり


ズーカラデル – アニー

 

―ズーカラデルはなんで始まったの??

櫻井:いや俺はそんなことより、吉田さんが音楽を始めたきっかけを聞きたい。

吉田:文化祭でバンドやろうぜってなって始めたよ!チャコールフィルターとかコピーしてたよ。

櫻井:チャコールフィルター?何それマジシャン?

吉田:マッチのCMのテーマになってた曲だよ!最初はベースをやってたんだよね。ゴイステのコピーをした時にベースが弾けなくて、そこで初めてエレキギターを持ったんだよね。

櫻井:へえええええ。

吉田:それで自分で弾きながら歌ってみたら 、意外と良い感じの曲ができて、そこからオリジナルを始めたんだよね 。

櫻井:ズーカラデルのバンド名の由来知ってる?僕すごく好きなんだけどさ。

―いや知らないなぁ。

吉田:ズーが動物園って意味。動物園から出るってこと!

櫻井:僕はそのバンド名に何か僕らと共通の意識があるんだろうなぁと勝手に思ってた。僕らも同じでさ、札幌もそうだし、一つのライブハウスでばっかりライブやってる人とかってさ、やっぱり囚われてるんだよね。そこからなんとか一歩出ると気付けることってたくさんあると思うんだよね。

吉田:そこまでは考えてなかったわ。

櫻井:ハハハハハ。

―マイアミパーティはいつ始まった?

櫻井:マイアミは三年前くらいから存在はするんだけど、僕がマイアミを作ったタイミングで上京したんだよね。東京にバンドメンバーを探しに行ったんだけど、二年間メンバー見つからなくて。もう音楽嫌になって札幌帰ってきたのよ。そしたらタイミングよくメンバーが集まって今の形になったかな。

―マイアミってメンバーの年齢バラバラだけどやりづらいとかはないの?

櫻井:僕は年下と一緒にいると威張っちゃうし、年上と一緒にいると甘えてしまうから、その両方がいる今はバランスがとっても良いよ!

吉田:櫻井くんと結構前に対バンしてるんだけど対バンする度に『初めまして』って言われてたんだよ!3回くらい初めましてしたわ笑 しかも一番最初に対バンした時に「めっちゃ良かったです!」って褒めてくれたのに笑

櫻井:違う違う!!!言い訳していい!!!!僕フォークシンガー覚えられないの!でも良いものは良いって伝えたいの!!

―言い訳になってないですね。

櫻井:うるせーよ!大事なのは今こうして仲良くなれてることだから!

 

札幌の音楽に受けている影響

―札幌の音楽に影響は受けてる?

櫻井:僕は全くって言っていいほど、受けていないんだよね。受けてないとは思っているんだけど札幌の音楽のダシはしっかり出ていると思ってるよ。

吉田:バンドやる上でかなり影響を受けているのはやっぱりTHE BOYS&GIRLSかな。

櫻井:僕もTHE BOYS&GIRLSと太陽族は好きだなぁ。


THE BOYS&GIRLS – パレードは続く

 

吉田:ボイガルはライブがすごい強くて、こういうのがやりたいとずっと思っていて、でもいざや

ろうと試みてもやり方が全然わからなくて、、、みたいのをずっと続けてたかな。

櫻井:僕東京に住んでた時に、水曜どうでしょう見てた?とかイースタンユース好きでしょ??とかさ、よく聞かれたんだけど、僕らの世代ってそこまで影響は受けていないよね?でも僕が好きなバンドのルーツを辿っていくと、イースタンユースだったりブルーハーブに影響を受けてるんだよね。だから薄まっているかもしれないけれど、血は受け継いでるんじゃないかな。

吉田:僕らより少し上の世代のバンドは、めちゃくちゃエッヂが立ってて、なおかつポップですごいバンドが沢山いる。何か空気を守ってるバンドが多くて。偉そうに言える立場じゃないけど、札幌のそういった上の代のバンドはもっともっと全国的に、もっと言えば世界的に注目を浴びて良いはずなのに。って思う。それこそchikyunokikiだとか、クールで洗練されている以上にポップで、もうあれはradioheadなんだよね。スネアカバーの斎藤さんもエマージェンザ・ミュージック・フェスティバル世界大会でベストボーカル賞をもらったりしてる。ただ全然斎藤さんに追随はできないんだけれど、彼らが守ってきた空気を感じながらバンドやってる気はするかな。


chikyunokiki – HOLE NEW WORLD

 

札幌のバンドに求めること

―札幌のバンドに求めてることってなに?

櫻井:そんなの何もないよ!!笑 好きにやればいいんじゃない笑 でもまぁ道外でライブやって見た方がいいんじゃないかな。それか道外からバンドが来た時は積極的に観にいくとかさ。やっぱり育ってる場所が違うバンドをみると学ぶことがとっても多いよ!ボクサーも同じでさ10年間所属しているジムの連中ばっかり相手にしてても、ある時を越えると成長しなくなるんだよね。同じ場所に居続けて成長できる人もいるけどそれはかなりストイックじゃないとできない。

―そして櫻井くんは東京行って挫折して札幌帰って来たもんね。

櫻井:うん挫折して、音楽やめそうになったので札幌に帰ってきた。音楽を始めてあんなに相手にされなかったことは初めてでさ。色々痛感したね。そういえばズーカラデルも東京ライブ増えてきたね。

吉田:我々の場合は実績がないから、誘ってくれる今、何かを積み上げなきゃいかんなって思ってる、なるべく東京ではライブやりたいなとは思ってる。

櫻井:札幌に限ったことじゃないんだけど、欲求と衝動でやってるバンドがたくさんいるけど、そこに歴史を組み込むことができれば、もっと深みも説得力も増すとは思う。歴史は音楽だけじゃなくて、オスカーワイルドに触れてみるとか、チャップリンの演説をみるとか。

吉田:周りには、誰が聴いても優れてるだろって音楽をやってるのに全然好かれないバンドもいるし、個人的にあんまり好きではないタイプの音楽をやってるけどめちゃめちゃ人に好かれてるバンドもいるし、本当にね、本当に全員幸あれって思う。

櫻井:なんだよそれ!!笑笑

 

二人の歌詞観


マイアミパーティ – ごめんね

櫻井:たかぴーさんって歌詞を書く時って、対象になる一人の人物はいるの?

吉田:いるね!誰かがいないと逆に書けないかな。特定の個人じゃなくても、「こういう人」っていうのを想像して曲を作る。不本意ではあるんだけどね。

普遍的な曲を作りたい。自分が歌わなくても成立するような歌を歌いたいね。櫻井くんはいる?

櫻井:僕も同じでさ、自分の中で作り上げた人物の時もあれば、たった一人のことを歌う時もある。

僕本当にモテないからさ、フラれソングしか作れないんだけどね笑  でも最終的には音楽の教科書に載りたくて音楽やってる。

―櫻井くんの歌詞は哲学的だよね

櫻井:うーん。それはわからないけど、心がけてることがあって、ライブハウスで歌ってても何言ってるか全部が全部聞こえるわけじゃないからさ。Aメロに一個、Bメロに一個、サビに一個、みたいな感じで自分なりのパワーワードを散りばめているつもりではいる。あとサビは恋愛詩なんだけどA,Bメロは恋愛じゃない方向でも受け取れるように作ってるかな。なんか恥ずいな。

―そんなこと考えて作ってるんだ

櫻井:いや!作ってる最中は考えてないけど、自然とそういう風に作っちゃってるね。

吉田:僕は昔から自分は良い曲作ってるはずなんだけどなってずっと思ってて、でも他のバンドの方がたくさんお客さんが入ってて。でもそれはその人たちに魅力があるからで、自分達には足りない部分がたくさんあるんだなって気付かされる。

―ズーカラはこれからどうなりたいの?

吉田:いっぱい聴かれたい!音楽が好き、バンドが好き。って人にだけではなく。好きとか嫌いではなく、良いものだねって評価されたい。スピッツみたいなさ。そこに向かって全力で行きたいな。

―櫻井くんは?

櫻井:僕はーーーーーー。歌詞を書き続けたいかなぁ。まだ皆が聞いたことないような言い回しで気持ちを歌って行きたい。

―もうお時間になります!最後に吉田くん、しめてください。

櫻井:俺がシメるわ。最後まで対談を読んでくれてありがとうございました。

―え、それだけ?

櫻井:うん!!!ち!!!!!!!!!!

吉田:みなさんさようなら〜!僕らを宜しくお願いします!

 

ありがとうございました

 櫻井さん吉田さん、ありがとうございました。

 いかがだったでしょうか。札幌のロックシーンに続く”ライブ感”のようなものを感じていただければ幸いです。

 最後にマイアミパーティのリリース情報を。それでは!

話せてなかったこと 話せてなかったこと

【リリース情報】
■マイアミパーティ 1stミニアルバム
『話せてなかったこと』
2018.2.21(水) Release
DDCR-1013 / ¥1,389+税
発売元:ACID RAIN/SPACE SHOWER MUSIC
販売元: SPACE SHOWER NETWORKS INC.

収録曲:
1.シスター
2.一縷
3.あいまい
4.ごめんね
5.日々
6.アルルの公園の入口

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メロウな音楽が好きなら今はオーストラリアの音楽がおススメ

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 アメリカはもはや説明不要として、イギリス。音楽って側面から考えるととんでもない国だなと。

 日本の人口と面積、両方とも半分くらいのミドルサイズ国家ながらビートルズ、クイーン、オアシス、などなど思いつく限りの最強の布陣。さながら音楽界の少年ジャンプといったところでございます。

 かたやカナダは”寒くて平和なアメリカ”くらいのイメージしかない国ですがニッケルバック、アブリルラヴィーン、ジャスティンビーバーなどなど、若干中堅層が薄い気もするけど、あそこはあそこで一発一発がヘビーブロウ。漫画雑誌でいえばヤンマガあたりでしょうか。

 さて、今回のテーマのオーストラリア。漫画雑誌に喩えると、うーん。チャンピン…?モーニング…?あたりかな…?オーストラリアの音楽なんてAC/DC以外浮かばないし、グラップラー刃牙くらいしか浮かばないチャンピオン辺りが一番シックリきますね。

 とまあそんなイメージを持っている人が多いかと思います。オーストラリア。洋楽が好きって人でも結構ノーマークの人が多いんじゃないでしょうか?

 そんなオーストラリアですが、そうやってみんなが気にしていない間に実はかなり盛り上がっておりまして。今、メロウなのが好きな人にはたまらない音楽が沢山実ってます。

 ホントのこというと4,5年前からかなり盛り上がってたけど、まあいいや。では今回はオーストラリアのおススメ音楽を紹介していこうと思うので、みなさんよろしくお願いします。

Chet Faker(Nick Murphy)


Chet Faker – Talk Is Cheap

 曲のアプローチ、ビートの質感、コード進行やフレージング、どれをとっても既存のものに似ても似つかないのに、とても耳障りが良いという不思議なミュージシャン、Chet Faker。(今は本名のNick Murphyで活動中)

 あまりの完成度の高さに、ビートルズと同じような普遍性を感じます。

 最近の日本のオシャレバンドを聴いていると彼からの影響がかなりでてたりするので、そっち系が好きな人も是非。

 

Tash Sultana


TASH SULTANA – JUNGLE

 Jack GarrattとかFKJなど、海外では最近「一人で全部やっちゃう系」のミュージシャンが増えておりますが、現在22歳のタッシュスルタナちゃんもその一人でございます。哀愁漂うギターとクセ全開のボーカルがとても良いですね。

 元々そんなに有名じゃなかったんですが、上の動画がかなりバズって、そのままずっと勢いが衰えずに伸び続けて人気アーティストの一人として定着しました。

 音楽のスタイルも売れ方もとても現代っぽくて”今”の音楽シーンを追っていくなら目を離せない一人だと思います。JUNGLEだけの一発屋っぽいところはあるけど。

 

The Avalanches


The Avalanches – Subways

 上の動画の”Subways”のベースラインが中毒性あり過ぎてヤバいです。

 最近のバンドじゃないんですが、一昨年に16年ぶりにアルバムをリリースしたのでまた火がつきました。The Avalanches。

 全編がサンプリングという他のレコードをコラージュして作る技法で作られていて、慣れないと中々とっつきづらいかもしれないですが、ダフトパンクの親戚くらいのニュアンスで聴いてもらえればすんなり聴けるはず。

 ちなみに彼らのアルバムは曲が全部途切れずに続くので、ドライブの時とかに掛けるととても気持ちよくなれます。おススメ。

 

Ta-ku


Ta-ku – Love Again

 先ほどのChet Fakerと同じFuture Classicというレーベルに所属しているミュージシャン。

 Future ClassicといえばFlumeってアーティストの方が世界的に有名なんだけど、個人的にTa-ku推しなのでこちらを。

 元々はいわゆるビートメイカー的な音楽性だった感じだけど、段々とジャンルレスな感じになってきました。最近は上の曲のような”ひんやり+しっとり”な質感の曲が多いです。気になった方は是非。

 あと、ヒップホップ好きの人にはそれぞれJ Dillaとnujabesにトリビュートで制作された”50 Days For Dilla“や”25 Nights For Nujabes“というビート集もおススメ。

 

Hiatus Kaiyote


Hiatus Kaiyote – Breathing Underwater

 今海外では凄いバンドが衰退してるんですよね。先ほどのTash sultanaじゃないけど、ああいう感じで一人でやっても大丈夫だし、パソコン使って打ち込んでも大丈夫だし。音楽に限らず、関わる人間が増えれば増えるほど面倒くさいものなので、気持ちはわかるんだけど。

 そんな中で敢えてバンドで演奏する意味を再確認させてくれるのがこのバンド。

 緩急のつけ方が凄くて、バンド全員でワッと盛り上がるダイナミックな感じはやっぱりバンドならではだなと。息の合い方が凄い。改めてバンドって団体競技なんだなって思いだしました。

 後はボーカルの見た目と歌の個性の強さがこのバンドの特徴でしょうか。アラバマシェイクスとか好きな人はドはまりしそうだなと思います。

 

いかがでしょうか

 冒頭でオーストラリアに有名なミュージシャン少ない、みたいなことを書きましたが、よくよく考えてみたらあのバカでかい国土のクセにカリフォルニア州以下の人口という超過疎国家なんですよね。

 そう思うと最近の豊作ぶり、むしろ音楽大国なんじゃないかと。全然メロウじゃないので挙げなかったけど、最近世界で売れまくってる様子のFive seconds of Summerもオーストラリア出身だし、最近妙に日本でもプッシュされてるSiaもオーストラリアっすね。良いミュージシャンめっちゃいます。

 あとアメリカみたいにコテコテじゃなければイギリスみたいに陰気臭くないのもポイントですね。オーストラリアの音楽は日本に代理店をするところが少ないせいなのか、自分で掘っていかないと情報がなかなか入ってこないですが、今回のでピンと来た方は是非ディグってみてください。

 というわけでオーストラリアの音楽特集でした。

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w.o.dを今のうちに押さえておけ

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 今回はシンプルにレコメンド記事で、久々に「あ、これいいな」と一聴して食らったバンドがこちら。w.o.d、webbing off ducklingの略だそうな。

 見てください、このアー写。ナイス。渋谷の真ん中でいかにもな顔して気取った写真を堂々アー写にしてるような奴俺は絶対に売れないと思うんですよ。アー写一つとってもセンスがわかる。そういうバンドマンは飼ってる猫に「クロ」とか「シロ」とか名前をつけるし、小田急線沿いに家借りてるし、地下アイドル崩れの彼女をパイパンにさせてる。センスが普通。そんな奴がね、良い曲、ひいては新しい音楽を奏でられるわけがないんですよ。

 w.o.dに関しては、音源一つで「うん、非凡だ」と明確にわかる音してる。聴いてください。どぞ。

 こういうグランジ、っつーかもう言葉を選ばずの言えばニルヴァーナ、ニルヴァーナに憧れて真似して成功したバンドって日本にゃ一つもなかったんですよね。せいぜいプレデターズぐらいなもん。

 ライブで聴いたときは

「あ、ブランキーっぽいな」

 とか思ってたんだけどこれは完全にグランジ、しかも成功例。30年あまり遅れてやっと現れた日本のニルヴァーナ。ダイナソー。

 最近の日本のバンドはっていうと、ジャパンコード進行に乗せてポップな歌謡ソングを歌うバンドが多くって、もっと噛み砕いて言うとガーっとコードを弾いてその上でJPOP的なメロディを歌うバンド、ほら3ピースだとyonigeとかおいしくるメロンパンとか、典型的かも。そういうバンドが多い。

 それもそれで好きなんだけれど、w.o.dのセンスはもうちょっと90年代80年代の洋楽ロックチックで、パワーコードのリフの上でがなり叫ぶ最近じゃあんまり見ないスタイル。

 音一つとっても、イントロのベースのコンプのコの字もないゴロゴロ感とか

「流行のことをやろう」

 という気概を一切感じない。そういう所が良い。カリスマはそういう所に現れる、と俺は思う。「みんなこういうの好きでしょ?」みたいな媚がない。

 

 スポティファイからもう一曲。これもかっこいい。

 ルーツが明らかなんだけれどちゃんと自分たちの音楽として噛み砕けている。

 そんで歌詞が結構平和。サウンドこんななのに。メッセージ性の強い誰かに宛てた手紙のような歌詞が流行だけれど、彼らの歌詞は言うなら日記。誰にも向いてないありのままを歌っている。

 3人っていうコンパクト編成だからこそ音の隙間が多くて逆にデカく聴こえる。ベースが超良い仕事してる。日本人っぽくない三人とも。

 そんなわけでw.o.d。どうでしょう。刺さる人には直撃の音楽だと思います。少なくとも俺には鼓膜ぶっささり。

 現役ばりばり。これから台頭して行くこと間違いなしのバンドです。今のうちに押さえておいてはどうでしょう。

 それでは。

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”まだ誰も聴いてない天才たち 邦楽インディーズバンド再生数10,000以下よりオススメ4選 2018”

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今年もやってまいりましたこの時期が。

昨年好評を博した
”まだ誰も聴いてない天才たち 邦楽インディーズバンド再生数10,000以下よりオススメ4選”。その第二弾”まだ誰も聴いてない天才たち 邦楽インディーズバンド再生数10,000以下よりオススメ4選 2018”やってまいりました。ぱちぱち。

今回もまた花粉症の拡大とともに、今回のバンドも一人でも多くの皆様に観て聴いて頂けることを切に願います。

それではレッツ・ゴー。

HONGKONGETEMONKEY

昨年末にsound cloudで聴いて気になっていたバンド。師走を超え年始で堕落していた矢先に冬のBAYCAMPに出演したり、先日はギターが行方不明になっていたりと今一番動向が気になるバンド。

そんなバンドがMusic Videoを出したのでみてくださいよ。

実にOASIS。

絶対売れる!とは言えないけど、本物なのでは。

愛とか恋とか世の中顔とかで盛り上がるのもいいけど。しんみりさ、たまにはこんなのどう?っておススメできるバンドかと。

彼らに惚れた部分は歌詞なんだけど、多分今の若者には伝わらん歌詞性。歌詞の評価って人それぞれだけど、純粋に頭の良さが滲み出てるなって感じ。

裏返してもう大人さ 名曲っていうのは大体うしろのほうに隠れてるもんな
振り返ると遠くで

そりゃそうだよなぁ、名曲ってうしろのほうに隠れてるよなぁ。ってしみじみ思った僕はもう大人なんですか。もう僕の人生B面ですか?

黙って聴いて欲しいこのラブソング。

 

Tomato Ketchup Boys


完成され過ぎ。

噂によるとまだ20歳そこそこだそういったい何喰ってきたら作れるんだよ。3:37くらいから急に日本語詞になるのとか痺れる。

ライブはこういう音楽で盛り上がりたいなってよく思う。居ても立っても居られないくなる。あの感じ。恒例行事のダイブとか、騒ぎたいだけのモッシュとかもういいんじゃない?

「Tomato Ketchup Boys」

名前もかわいいし、おススメです。

 

時速36km

この中では一番の正統派で王道です。いいメロディ、いい歌詞、いい声。三拍子揃ってる。

下北で活動してんだろうけど、辺に下北沢っぽくないところがいいです。ちょっと都会じゃないけど、電車15分揺られたら大都会だぜ。みたいな活動の感じとか沁みる歌詞がすごくいい。

忘れらんねえよのような熱い感じがある。

男子皆好きだろ?このセリフ、臭いだろ?臭いけど皆ラーメン二郎好きだよなあ?オ?

 

愛scream

今の時代だったらこれが売れる音楽として一本の道の正解行ってるバンドだと思うんすよ。ヤバTとか岡崎体育とかのソレ。

またか。。。

なんて残念がるのはまだ早い。今回はなんと東京からの選出になります。

長かった大阪エンタメ音楽界隈の一強もこのバンドで終止符を。

愛Scream、マジでイカれたバンド名してやがる。

曲名も「おでんROCK」

なんだよ、以外に上手くないか。普通にかっこいいです、ウケ狙いなのか真面目なのか線引きがわけわからんくなるレベル。

おいおい、しかもボーカル顔かっこよさそうじゃねえか。その上若そうだし、レコード会社の人間は、若い×売れそうの方程式しか解けない人たちばかりだって聞いたんでその辺にもおススメします。

ちなみに先日テレビに出演してるのたまたま見かけたんですが、ギターの人変な恰好してました。

毎日聴いて応援してほしい

 お耳が気に入りそうなバンドはいましたでしょうか。
 
 今回思ったことは、みなバンド名が優秀。一発で検索できる。
 
 あなたたち金を落とさない無銭飲食者でも、再生数を伸ばすこと、それだけは、バンドの肥やしになるのです。肥やせ。バンドを。

 毎日聴いて、是非応援してください。自信を持ってオススメできる四組です。

 それでは。

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ヒトリエが取り払ったバンドとボーカロイドの垣根について

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 このサイトを始めてもう4年になるんだけれど、当時一緒に記事を書いていた友人と、ヒトリエっていうバンドについて意見が分かれ、それぞれ記事を書いたんだけれど僕はもう真っ向の否定派で「売れるわけがない」と、そういった内容の記事を書いたんですけど。

 

 今も見事に大人気でして。ホント、すみませんでした…

 

 本題に入る前にまずこのヒトリエというバンドの概要を説明すると、ボカロPとして当時名を馳せていたwowakaが、ニコニコ動画界隈から個々活躍するスーパープレイヤーを集い結成したバンド。幻影旅団みてーなな。

 とにかく、フロム・インターネットな雰囲気を持った4ピースバンドで、今でこそ、米津玄師を旗手に垣根がなくなりつつあるインターネット音楽とバンド音楽の垣根のさなかにいた4人。これ、どっちに転ぶの?っていう面白さがあの時にはあって、そこで意見が割れたわけで。

 バカ言えこんな

 聴くインターネット、バンド社会でウケるわけなかろうと。幻聴でワコツと聴こえる。幻覚で文字が左から右へ流れて消える。耳から有線LAN生える。

 というわけで、平たく言うと「ボーカロイド過ぎて売れない」という見解だったんですけど、見事にセールス・人気、獲得しておりまして。以下四年越しの反省文となります。どうぞ。

 キエーーー、ボーカロイドだ。これこれ。インド人がターメリック持ってるような安心感。ボーカロイドはこれでなくっちゃ。息継ぎを無視、爆速カッティング、人間が叩くように作られてないドラム。音楽業界のラーメン次郎。そうボーカロイド。その模範。教科書。法典。

 で、ヒトリエなんですけど

 

 ウケる。うぽつ。

 彼らが出てきた当時、ボカロP出身のバンド、旧lyu:lyuとかがちょうど台頭し始めた時期だったんだけれどその中でも特に異様で、一番ボーカロイド音楽そのままでバンド業界に殴り込んだのがヒトリエだった。

 で繰り返しになるんだけど「こんなボーかロイド過ぎるバンドは世に受け入れられないよ」と思っていたんだけども

 

 先見の明があったのは彼らでした。

 

バンドとボーカロイドにあった壁

 ここからが本題なんですけども。

 ここ2〜3年前は壁を隔てたベルリンの如く、バンド音楽を聴く人とボーカロイドを聴く人はキッパリ分かれてたと思ったんだけど、ここ2年ぐらいでいつのまにか壁はすっかり倒壊して「バンドもボーカロイドも歌い手も隔てなく聴く」という人がめちゃめちゃ増えた印象。

 ちょっと前までは、音楽のイジワルな側面、いわゆるマウントという奴で「バンド音楽を聴く人間はボーカロイドをバカにしている」という傾向が、良くないことだけど確かにあった。オタクがカラオケで歌う奴じゃん〜みたいな。JPOP、EXILE Tribe、洋楽、邦楽ロック、ボーカロイド、色んな属性の音楽リスナーが互いを互いにバカにしあってたし、今もそういうしょうもないマウントの取り合いがインターネットの各所で執り行われている。

 で、明確に抗争状態だったバンドとボーカロイドなんだけど、若い世代の間ではいつの間にか「両方あり」ということになっているようで、ボカロPの名前と歌い手の名前とMy Hair is Badが仲良く並んでるのをよく見かける。ちょっと前ならありえないことだったと思うこれは。

 原因として一番大きいのがスマホの一般化。このせいでインターネット=オタクという図式が崩れたのが大きい。TwitterもyouTubeもニコニコ動画も一般のものになったし、スマホの一般化から5年ほど経った今。ガラケーを知らない、パソコンいじれないけどインターネットは見る、そういうスマホネイティブな世代が音楽のメインターゲット層である中高生になったのが2018年だ。

 水面下で、そういう革命があった中で

 

 ヒトリエはウケたんだろうなと。米津玄師とヒトリエはバンド音楽とボーカロイドの垣根を取り払った功績者で間違いない。

 こういうムーブメントがなければ、最近多いおいしくるメロンパンを代表とした歌い手声のバンドの台頭もなかっただろうし、今の流行は間違いなく違ったものになっていたと思われる。

 ボーカロイド出身者でバンドという環境を生き残ったヒトリエ。デビュー当初から音楽性を徹底してブレない根性、胆力も生き残った要因だと思われる。良い意味で、ずっと変わらない。ずっとボーカロイドという素地を忘れない。普通だったら同じ音楽性を続けるなんて怖くてできない。狂ってる。

 僕と同じく、普段こういったバンドを聴かないという人も、是非聴いてみてください。面白いです。発見があります。

 それでは。

 

 

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ニガミ17才みたいなバンド、そうホイホイ現れてたまるか

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 こういうスタイルのバンド、たまに現れるじゃないですか。古くはゆら帝とか、N’夙川BOYSとか、毛皮のマリーズとか、全部音楽性は違うんだけど、共通して奇々怪々なルックスに流行無視の音楽性で突然変異の如く生まれてくる人たち。

 なーんでそれをやろうと思ったの?と出自も知れぬ音楽を突然おっぱじめる彼ら。

 そういうのがまた現れた。ニガミ17才。なんちゅうバンド名だ。Syrup16g的なことですか?は?

 流行りつつあるこのバンド、一聴しただけでまともじゃないことがよくわかる仕上がり。

 とにかく聴いて見てみて。

 こんなバンドがそうホイホイ現れたらかなわない。完成してる。

 一人もまともそうな奴いなくていい。誰一人として人の話聞かなそう。

 最初人に勧められて聴いた時はなぜか

「嘘つきバービーっぽいな」

 と思ったんだけどそれもそのはず嘘つきバービーの岩下がフロントマンとなり結成した新バンドらしい。

 なぜかすごく安心した。新人じゃなくてよかった。いきなりこんな完成された状態で現れる新人嫌すぎる。

 

 懐かしの、嘘つきバービー。

 この人リフ音楽好きよな。

 嘘つきバービー解散から数年、現代的になって帰ってきた。うれしい。

 やってることは全然違うのに根元が似ているというか。同じフレーズを繰り返して酩酊感を出す感じ。サビとかAメロとかそういうのない感じ。

 それにしてもこのメンバーどこで集めたんだろう。ドラムは元ミドリの人らしい。豪華。

 豪華と言えばキーボードの会話の通じなさそうな美少女。これもどこから引っ張ってきたんだ。

 見事にバンドの顔になっていて一部のマニア層から既にアツい支持を受けている。

 

 デッカチャン久々に見た。見たからといって特別何か感情が起きるわけではないけど。

 さっきの曲もそうだけれど、各セクションのメインテーマを歌いながら演奏が徐々に盛り上がって行くスタイルの楽曲構成になっていて、全く日本人的でなくていいなと。イントロ!A!B!サビ!みたいな、基本的なフォーマットから大きく外れている。

 のに、ちゃんと一般のリスナーの耳にも徐々に届いていて人気を獲得しているのが彼らのすごいところ。ヘンなことやろうとするのは簡単だけど、それでちゃんと人に聴いてもらえる音楽をやるのは本当に難しい。

 最近はこういうナンセンスを売りにしたバンドがあまり台頭していなかったから個人的にはすごく応援したいバンドですニガミ17才。

 サブカルもサブカルで形が変わってきて、こういうバンドがサブカルチャーの中心だったはずなのに…という想いもあり、若年層に悪い広まり方をしてほしいなと切に願います。

 というわけで、ニガミ17才。是非。

 それでは。

 

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死ぬほど行きたくない!バンドマンからのライブの誘いを確実に断る方法

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 貧困層のみなさん、こんにちは!雨の日でも二駅まで徒歩圏内、石左と申します。

 どんな売れっ子バンドも最初は友人親戚恋人の類いを呼んでなんとか動員の体裁を取るものですが、体裁の為に2500円支払わされちゃたまったもんじゃない。考えてみてください、2500円あったら何ができますか?何も出来ねえよ何でも金で解決しようとする考え方そのものが貧乏なんだよお前は、ソシャゲやめろ。

 とはいえども2500円。バカにできない金額です。ドリンク代も含めれば3000円を越えてくるでしょう。それで得られるもの、苦笑いとタバコの匂いと団地に住んでた友達の家に遊びにいったときに出てきたカルピスを彷彿とさせる薄さのウーロンハイ。マジで不毛。そんな生き方、今日っきりやめ。

 みなさん勘違いしないでいただきたい。すぐネットの人間は揚げ足を取って炎上だ炎上だと騒ぐので予め弁明させていただくと。俺はライブハウスに行くな!と言ってるわけじゃございません。罪悪感・強迫観念から渋々ライブを見るぐらいなら、そのお金で本当に見たいライブを見に行っていただきたい。音楽をもっと楽しんでほしい。その一心。わかっていただけましたか。嘘です。純粋に悪ふざけで書いてます。悪意100%です。母親のLINEを既読無視してます。

 というわけで今回は

 守れ、2500円!知り合いのバンドマンからのライブの誘いを確実に断る方法

 ということで、友人と呼ぶには付き合いの浅い、けど年上の誘いだし断りづらい。そういう機微、ワビサビ、味わいの深い誘いをどう無碍にするか。反故にするか。そういった論旨で話をさせていただこうかなと思います。それでは、チェキ。

もっと上の立場の人から誘われたということにする

『4/7、ライブなんだけど良かったら…』
「あ、すみません、その日矢沢永吉さんに誘われてて

 これです。一撃。どんな先輩の二の句も奪う。

 これは至って有効な手段でして「先輩」という圧力をつかって誘いを強要してくる相手には更に「先輩」という圧力で殴り返せばいいのです。目には目を。相手のが持ち出した土俵の上で更に強いカードを切る。シンプルながら強いムーブです。

 問題は「本当は別にそんな誘いはない」という事実がバレたときマジで気まずいということです。その時は素直に「すみません本当にライブ行きたくなかったんです」と伝えて殴られましょう。定めです。

 

逆にもうその場で2500円払う

『4/7、ライブなんだけど良かったら…』
チケ代払うんで勘弁してください。

 お金に余裕があったらいつかはやってみたいパターン。お金が惜しいんじゃない。純粋にあなたのライブが見たくない。そういう強固な意思表明。並の精神力なら一発で廃人確定。深々と頭を下げて丁寧に断るのがミソ。

 後々の関係に確実にヒビが入るので断絶してもいい人間関係にのみ使用可。現実的には難しいがその強烈なインパクトから実用化が待たれる手法の一つ。

「行きます!」

『4/7、ライブなんだけど良かったら…』
「行きます!」

 一見悪手に見えるこの手段。実は非常に賢明。というのも、野生のバンドマンの習性として

「ライブにはしつこく誘うけど、当日欠席には寛容」

 というものがあります。なので

「行きます!」

 この一言でその場は流して当日無断でバックれましょう。あとはもう何でもいいです。寝てた忘れてた風邪だった。縁を切るなり回線切るなり。

 そもそも行く気にならないぐらいの関係性で誘ってくるような相手、縁を切るべきなのでは?

 

次回行きます

『4/7、ライブなんだけど良かったら…』
「あ〜、予定合わないんで次行きますね〜」

 俺が最も多用するパターン。次回を匂わすことによって

「あなたとは友好関係でいたいんです」

 という意思を表示し、穏便かつ友好的にライブに行かない。このパターン。一番平和。

「次誘われたらどうするの?」

 愚問。またその次に先延ばし。永久に次。一生俺はライブにたどり着かない。

 

最後に

 無理に誘って増やした動員って、あんまり意味ないと思うんですよね。見たかったら、行きたかったら、人は自ら来てくれるし。理想論ですけどね。

 というわけでみなさん2500円を大切に!

 それでは!

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w-inds.が気が付いたら超音楽オタクになってた

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 ウインズ。昔一度ハマったことがある人も多いと思います。

 今の10代の子はなかなか知らないと思うので軽く説明すると、w-inds.は所謂ダンスボーカルユニットです。歌って踊る男達っていうと今でこそEXILE以外は全部韓流、みたいな風潮にがあるけど2000年代にはまだ国産のダンスグループがいたんですね。その一角がw-inds.です。

 w-inds.がデビューした当時僕は中学生くらいだったはずなんですが、安定してクラスに2,3人くらいファンがいたような記憶があります。25歳より上の人は殆どみんな知ってるはず。

 で、そんなw-inds.なんですが僕の知ってるのはこんな感じの可愛らしい少年達だったんですが、


w-inds. – Feel The Fate

 それが今ではこんな感じ


w-inds. – We Don’t Need To Talk Anymore

 なんだろうこのミズゴロウがラグラージに進化した感じ。

 最初聞いたとき、名前が一緒なだけの別のグループかと思いました。というかもはやメンバーと名前が一緒なだけの別グループのレベル。

 とまあ、ただ凄い変わってるだけだったら「スゲエ変わっててワロタ」で終わってしまうんですが、w-inds.の場合は普通に曲がかっこ良いし、個人的に凄く良い変わり方したなと思ってまして。

 ちょっと大げさかもしれませんが、今のw-inds.はマジで今の邦楽に足りないところというか、必要だと思うことを実践してるんですよね。

 今回はそういう話をしようかと思います。

今の洋楽とリンク

 なんか最近の邦楽、面白くないなと思っている人少なくないんじゃないでしょうか。理由は色々考えられるけど、一言で表すと新鮮味がないってのが致命的かなと思うんです。

 一方洋楽はというと結構シーン全体で大きな流れがあって、頻繁にトレンドが変わってるんですね。今はというと大きな流れとしてクラブミュージックがあって、その上で去年はケンドリックラマーをはじめとしてトラップ系の音楽がめちゃくちゃ流行りました。もうEDMは割とオワコン気味らしいですよ。


Taylor Swift – We Are Never Ever Getting Back Together

 カントリー畑のシンガーだったはずのテイラースウィフトも、大体この曲を起点に曲の作りがクラブミュージック化してるんですよね。音自体はギターの音のカントリー感が若干残ってるけど、曲自体はループとビートが主体になってて、まあつまりクラブミュージックなわけです。

 一方日本はテラスハウスでテイラースウィフトをガンガン鳴らしまくってたにも関わらず未だに歌謡曲。表面の音色だけは今っぽくなっていますが、結局は歌・メロディのために伴奏があって、という音楽なんですね。根幹は80年代辺りからほとんど変化してないんですよね。

 


w-inds. – Time Has Gone

 w-inds.は少し前から自分たちで曲を作るようになったそうなんですが、凄く洋楽。ちゃんと今の洋楽を取り入れてるんですよね。根幹から。音楽の主軸が歌じゃなくて、あくまで全部で一つの音楽という考え方で出来てて、だからいわゆるサビが無くてもちゃんと成り立ってるんですよね。

 曲の作りがシーンに一石投じてるんですよね。元々ダンスグループという割と保守的な界隈からってのでギャップもあるんですが、それ無しでも凄いなと。反抗の音楽であるはずのロックですら、ウチはウチみたいな考えで、日本のリスナーだけをターゲットにしてガラパゴス化してるなか、よくやってくれたなと。

 

音楽の面白さは人間性

 持論なんですが、音楽の面白さって書いた人間のイカレ具合とイコールだと思うんですよね。

 良く性格が顔にでるとかいうけど、それと同じで音楽も人間性が凄く滲み出てて、潔癖症なやつが作ると音楽も潔癖な感じになるし、アツいヤツが作るとアツい曲になるし、曲は良くできててもなんか面白くない曲の作者と話してみたりすると、やっぱりどこか優等生チックで面白くないやつだったり。

 極端な話ですが、僕たちは曲を通して作者の人間性を覗き見て楽しんでるんじゃないかと思うわけです。


w-inds. – Dirty Talk

 w-inds.の場合は曲から漂う音楽オタク臭が凄いんですよね。上の曲は最近公開された曲で最近のw-inds.っぽいサウンドをベースにルーツのJ-popを乗せてみたって感じの曲なんですが、これとか結構典型ですね。

 例えば曲の中盤の”デン!”っていうシンセ音は専門用語でオケヒって言うんですけど、絶対ダサいのわかってワザと入れてきてるし、他にはJ-popっぽい曲調に対してあり得ないくらいキックドラムが強いし、良く聴くと歌より音デカいですからね。上っ面だけJ-popで中身はゴリゴリのダンスミュージックになっててめちゃくちゃ面白いんですよね。音楽マニアだったり音楽を作るのが好きな人がニヤリとするポイントがめっちゃ詰め込まれてて好き。

 

 音楽を聴いても伝わってくるんだけど、完全に一番楽しんでるの本人なんだよな。

 

 なんか最近のw-inds.がすげえ良い感じだなって思うのがここなんですよね。やってる本人が楽しそうなところ。去年はリミックスコンテスト開いたりしてたし。音楽的にめっちゃ楽しいことしてる。

 最近の音楽業界ってお金のやり繰りがしんどいせいか、どうしても余裕が感じられないことが多くて。具体的にいうとみんな出す一曲一曲で売り上げを狙い過ぎるんですよね。王道の売れ線の曲ばかり連発しちゃって。

 ロックバンドがフェス受けする曲しか作らない問題にも似てるかなと思うんですが、どうしても売れ線の曲ばかりだと息苦しいというか。ツマミ無しでずっと酒を飲み続ける感じです。色んなパターンの曲があって、たまに必殺の一曲がでてくるからグッとくるんじゃないかと。

 そういう意味ではw-inds.の今回のリリースは”良いハズし”だと思うんですよね。正直なことを言えば今回の曲、最近の洋楽っぽいw-inds.が好きな人はもっと洋楽に寄せたヤツが好きだろうし、昔からのファンはもっと王道のJ-popの方がウケるんじゃないのかって思うんですが、そのどっちにも媚びていかない感じというか、ファンが主軸というよりかはあくまでアーティスト側が面白いものを発表していくってように感じるんですよね。

 人間って楽しそうなことをしている人の周りに勝手に集まっていくものだと思うんですけど、短期的なセールスよりもこうやって自分たちの音楽を突き詰めていった方がトータルでみるとプラスになっていくんじゃないかと思うんですよね。

 

 いかがでしょうか、みなさん。w-inds.のイメージ変わったと思います。色眼鏡掛けず耳で是非確かめてください。

 それでは!

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