この記事はエレキギター初心者の方に向けた、エフェクター購入のガイド記事となります。
エフェクターは何から買えばいいのか、一体どういう種類の物があるのか。おおまかに述べていきたいと思います。
著者もまだまだ修行中の身ですが、自分なりの経験からお伝えしたいと思います。
そもそも、何でエフェクターが必要なの?
皆さんは「エフェクターが欲しい!」と思った理由は何ですか?
- 音をもっとかっこよくしたい!
- 大好きな曲を再現したい!
- いろんな音を楽しみたい!
- ライブで必要だから!
理由は様々にあると思います。
皆さんそれぞれの目的に沿ったエフェクターを手に入れて、音を変化させたいですよね?
では、エフェクターにはどんな種類があるのでしょうか。
エフェクター筐体の種類
エフェクター筐体には大きく2つの分類があります。
コンパクトエフェクター
![]()
(image by http://www.roland.co.jp/products/jp/OD-3/images/top_L.jpg)
BOSS OD-3 Over Drive(オーバードライブ)
マルチエフェクター
![]()
(image by http://www.soundhouse.co.jp/images/shop/prod_img/l/line6_podhd500xa_2.jpg)
Line6 POD HD500X(マルチエフェクター)
どうですか?
コンパクトに比べて、マルチエフェクターはとても大きいですよね?
コンパクトエフェクターはその名の通り、小さく設計されており、
一つ一つに違うエフェクト機能が搭載されています。
マルチエフェクターは、とても大きいスペースを取る分、
その筐体にほとんどのエフェクト機能が搭載されています。
・・・なんかお得な気がしませんか?
マルチとコンパクト・・・どっちを買えばいいの?
これはケースバイケースで、とても難しい問題です。
周りの初心者の方にもよく聞かれますが、
その人が将来やりたいことによってアドバイスが変わります。
以下の二つの答えに当てはまるほうを、選択すると良いでしょう。
たくさん音を作りたい!一個で全部済ませたい!
マルチエフェクターをおすすめします。
デジタル数値による論理的な操作が求められますが、最近のマルチエフェクターは初心者でも簡単に操作できるよう親切な設計になっています。
収録されているエフェクトの数や、アンプモデリングの数(有名なアンプの再現)はコンパクトでは実現できないレベルです。
また、機種によってDTMソフトが付属されており、録音や作曲にも使えるマルチもあります。DTMに興味がある人にもおすすめです。
初期投資が高いです。
マルチエフェクターの値段は、相場で1万~5万円程です。
コンパクトエフェクター1台に比べると値段は張りますが、将来的にかかるお金を考えると、コンパクトよりも全然安いです。
音にはこだわりたい!自分だけの音がほしい!
コンパクトエフェクターをおすすめします。
ツマミによる直感的な操作で音を変化させることができ、組み合わせ次第ではあなただけの音を作ることができます。
アナログエフェクター特有の音は、プロフェッショナルな音を目指したい、再現したい方には必須になってくると思います。
サイズがコンパクトなので、音数を必要としないならば、ライブ会場やスタジオでの荷物が少なくて済みます。
将来的にお金がすごいかかる場合があります。
エフェクター単体の値段は3000円~10万円までピンキリ。エフェクター同士をつなげるケーブルや、電源供給機、整理するためのボードなど、もろもろの費用がかかります。(一番上の僕のエフェクターボードの画像を参照 全部で30万ぐらいかかりました)
あなたはどちらでしたか?
ちなみに筆者は、最初にマルチエフェクターを買いました。
(コンパクトが欲しい人は、マルチ紹介のブロックを飛ばしてもOKです。)
![]()
(image by http://www.digitechjapan.jp/products/RP355/RP355_files/RP355main.jpg)
Digitech RP355(当時1万円ぐらいだったと思います)
最初は難しかったけど、良い勉強になった
小さい日本語マニュアルが一個ついてきたたけで、筐体の表記は全部英語だったので、慣れるまで大変でした。
しかし、予め工場でセッティングされている「プリセット」を利用することで、すぐにいろいろな音を出せるようになりました。
慣れてきたら、自分だけのセッティングを作り登録することで、いつでも自分のセッティングをワンタッチで呼び出すことができました。
マルチは作曲にも使える
マルチを買うまで、作曲をしたことはありませんでした。
ですが、付属してきた「Cubase LE4」というDAWソフト(作曲ソフト)を利用して録音をし、作曲をする経験を積むことが出来ました。
現代のマルチエフェクター
筆者は現在、コンパクトエフェクターを使っています。
大学の後輩に「マルチ何買ったらいいですかね?」とよく相談されることがあります。
筆者自身、マルチについて未だに色々と調べることがあるため、
ここでおすすめのマルチエフェクターを幾つか紹介したいと思います。
ZOOM G3/G3X
![]()
(image by http://www.zoom.co.jp/img/item_feature/item_feature_10008_3203.jpg)
ZOOM G3/G3X(相場18,000円程度)
マルチエフェクターの分野で古くから安価で
多機能な製品をリリースしている「ZOOM」のミドルモデルです。
3つに別れたUIデザイン
3つのボタンにそれぞれ、エフェクト機能を付与することができ、
上部の液晶にエフェクターが表示される設計になっています。
視認しやすく、ユーザーのことをよく考えて設計されていると感じます。G3Xではペダルが設置されており、ワウエフェクトや音量調整ができます。
BOSS ME-25
![]()
(image by http://www.roland.co.jp/products/jp/ME-25/images/top_L.jpg)
BOSS ME-25(相場18,000円程度)
楽器メーカー「Roland」のブランド「BOSS」のマルチエフェクターです。BOSSは1970年台後半より続いている歴史あるブランドです。
その蓄積されたノウハウによる造りは海外メーカーの追随を許しません。
コンパクトエフェクターを意識した構造
こちらも3つに分かれたペダルが存在します。
BOSSのコンパクトエフェクターの特徴でもある、演奏中の踏みやすさを意識したペダルデザインになっていると感じます。
前を向くことが多いボーカル・ギターの人には特にオススメです。
Line6 PODHD500X
![]()
(image by http://www.soundhouse.co.jp/images/shop/prod_img/l/line6_podhd500xa_2.jpg)
Line6 POD HD500X(相場:58,000円程度)
アンプモデリングで有名な「POD」シリーズをマルチエフェクターにしたPODHDシリーズ。その最上位モデルです。
前の二台に比べてめちゃんこ高いですね!!
登録されているエフェクト数・同時に使えるエフェクト数
ここがものすごく強い部分です。
正直コレ一台あれば、コンパクトいらないかも・・・ってぐらいに音質はいいと思います。(ライブで聴いた感じ)
PCでのプリセット操作など、できることがたくさんあるので、
初心者向けかと言われるとちょっと違うかもしれませんが、
売り出しや中古で見つけたら、持っておいて損はない一台だと思います。
話は長くなりましたが・・・続いて・・・
コンパクトエフェクターについて
コンパクトエフェクターには、いろいろ種類があります。それはもういろいろと。電子回路で出来ていますから。
出そうと思えばどんな音でも出すことができるはずです。
まずは、定番の音色から抑えていきましょう。
エフェクターは大体以下の3つのカテゴリに分かれます。
歪み(ひずみ)系
- ブースター/プリアンプ
- オーバードライブ
- ディストーション
- ファズ
- コンプレッサー
例:BOSS OD-1X Over Drive (オーバードライブ)
モジュレーション系
- コーラス
- フェイザー
- フランジャー
- トレモロ
- その他もろもろ
例:BOSS CE-5 Chorus Ensemble (コーラス)
空間系
例:BOSS DD-20 GIGA Delay (ディレイ)
えっ・・・こんなにあるの・・・?
そうです。こんなにあるんです。ぶっちゃけ違いとかわからないですよね?最初はそれで全然OKです。
「歪み(ひずみ)・モジュレーション・空間」の3つの分類があることだけは押さえておくといいと思います。
楽器屋さんで、店員さんに欲しい音を伝えるとき、
上記3つのカテゴリ名を使うと、より具体的にな説明になると思います。
それぞれの音色については、Youtubeなどでチェックしてみてください。
結局、どれから買えばいいの?
結論:まずは歪み(ひずみ)から。
筆者も最初はディレイなどの空間系エフェクターに憧れていましたが、
まずは歪みペダルから買いましょう。
オーバードライブ
万能選手です。迷うならコレを買いましょう。
ポップからロックまで、セッティング次第でガンガン使えると思います。
筆者はよく使います。何台か重ねて使うとより迫力が出ます。
ディストーション
尖った音が欲しい!オーバードライブじゃ物足りない!
と思うあなたは、オーバードライブよりもディストーションを買いましょう。
ハードロック、ヘビーメタル、ヴィジュアル系のサウンドには必須とも言えるエフェクターでしょう。
ファズ
正直、なんだかよくわかりません。それがファズです。
理屈じゃありません。轟音、音圧、迫力。
そのワードに惹かれたなら、ファズを買ってみましょう。
BigMuffとFuzzFaceとFuzzFactoryというワードを覚えておくと
後々役に立つかも・・・しれません。
ブースター/プリアンプ
最初の一台にはあんまり向いてない・・・かも
ブースターとは、アンプの音を増幅させて歪ませることに
利用されることが多いエフェクターです。
皆さんが使うアンプにもよりますが、スタジオによく置いてあるコレ
![]()
(image by http://www.soundhouse.co.jp/images/shop/prod_img/r/roland_jc120xxx.jpg)
Roland JC-120
(コレがないスタジオやライブハウスってあるのかレベルなアンプ)
このアンプは、エフェクターで歪ませることが前提な感じ
そのため、ブースターを使ってもクリーンな音が大きくなるだけになる
可能性があり、最初の一台にはオススメできませんが、
歪みペダルのお供には、かなりオススメできます!
また、Marshallという二段重ねのアンプを使う予定の人ならば
![]()
(image by http://medias.audiofanzine.com/images/thumbs3/marshall-4100-jcm900-dual-reverb-1990-1999-2003-274904.jpg)
Marshall JCM900 + Cabinet(ほとんどのスタジオとライブハウスにあるはず)
アンプ自体が歪む設計になっているので、
ブースターを使うとより迫力が出ると思います!
おすすめコンパクトエフェクター
定番だと思われるモデルを紹介していきます!
楽器屋さんにあると思うので、まず足を運んでみて音を聴いてみてください。
歪みは絶対に生音を聴いてから買いましょう。
間違ってもYouTubeで音を聴いただけで買わないようにしましょう。
実際の生音とだいぶ違うこともあります。
オーバードライブ
BOSS BD-2 Blues Driver 相場:8,800円程度
![]()
(image by http://www.roland.co.jp/products/jp/BD-2/images/top_L.jpg)
実は3台持ってます。完全に信者です。
ブルースドライバーは1995年に発売されたオーバードライブです。
特徴:プレイヤーが弾いた時の感触(ニュアンス)を素直に表現してくれる
弱く弾いたら優しい音が出るし、思い切り弾いたら歪んだ音が出る。プレイヤーの思うがままに操れる優秀なエフェクターだと思います。
コストパフォーマンスにも優れ、歪みの幅も広いです。
難点:ちょっとジャキジャキしすぎてるかも
聴く人によっては「キンキンする音」という感想もあります。
また、「BD-2を通したらどんなギターもBD-2の音になる」と言う人もいますが、プロでも普通に使ってる人がいます。
Fender系のストラトやテレキャスにはバッチシなサウンドだと思います。
BOSS OD-3も定番モデルなので要チェック!
Ibanez TS-9 TubeScreamer 相場:10,000円程度
![]()
(image by http://www.soundhouse.co.jp/images/shop/prod_img/i/ibanz_ts9b_2.jpg)
歴史と伝統に満ち溢れたエフェクターです。
””遡ること1979年に発売されたチューブスクリーマーは、国内外問わず様々なギタリストに使われてきたオーバードライブエフェクターです。
TS-9は1982年にリリースされたモデルとなり、現在も生産されています。
特徴:スムースな歪み、どんなアンプにもマッチングする
古くから多くのギタリストに愛されただけあり、特にMarshall系アンプとの相性が抜群にいいエフェクターです。
難点:歪の幅が狭い
BD-2に比べると歪みの幅は狭く設定されています。ですが、JC-120でもしっかり歪む設計にはなっています。
物足りないなぁと感じる方は、他メーカーにてTSをベースとし、改良された「TS系」と呼ばれるエフェクターがたくさん作られているので、チェックしてみると良いでしょう。
MXR Custom Badass ’78 Distortion 相場:9,000円程度
![]()
(image by http://www.moridaira.jp/wp-content/uploads/2011/07/CustomBadass78Distortion-11.png)
ディストーションといえばMXRです。
そのMXRの最新カスタムモデルディストーションです。
特徴:ハイゲイン(すごい歪み)とファットトーン(太い音)
コレ、持ってるわけではなく試奏しただけですが、
この値段でこの音なら最初の一台どころか、
そのままずっと使えるかもと思ったエフェクターです。
ディストーションをあまり使う機会がないので購入を見送りましたが、
楽器屋さんで見つけたら音を聴いてみてください。
LEQTIQUE ( レクティーク ) / 9/9 相場:18,000円程度
![]()
(image by http://www.cloudchair.net/uploads/2013/09/IMGP9889.jpg)
今までに比べるとちょっとお値段高いですね・・・。
その理由は「手作り(ハンドメイド)」だからです。
普通、エフェクターは工場で大量生産されます。
しかし、「LEQTIQUE 」では一台一台を手作りで生産しています。
ぶっちゃけこの値段でいいんですか・・・と思ってしまうレベルですね。
特徴:音圧すげぇ・・・ JCでもガンガン歪みます
コレもまた試奏のみの感想になりますが、音圧すごいです。
初心者でコレ持ってたら先輩とかビビリます。多分。
なので、ちょっと扱いづらいかもしれませんが、
持ってて損はしないエフェクターだと思います。
同メーカーのオーバードライブ「Maestoso」も要チェック!
ちなみに製作者のShun Nokinaさんは日本人で、海外に拠点を置いてエフェクター製作を行っている方です。
高価な手作りエフェクターをより身近にというコンセプトでLEQTIQUEブランドを立ち上げたそうです。
めちゃくちゃ有難いです。本当に。涙出ます。
おまけ:チューナー
KORG GA-1(チューニングして練習しましょう)
![]()
(image by http://www.soundhouse.co.jp/images/shop/prod_img/k/korg_ga1d_2.jpg)
あれ・・・ライブ中にいちいち使えないですよね?
そんな時には、足元におけるチューナーがあります!
KORG DT-10 デジタルフットチューナー(相場6,000円程度)
![]()
(image by http://www.korg.co.jp/Product/Tuner/DT-10/images/index_p.gif)
エフェクターの一番前につなげることで、ライブのMC中など
開いたにすんなりチューニングすることが出来ると思います。
一台持っておくと便利だと思います。
最近はクリップチューナー使う人も多いですね。安いですし。
AW-3G2-BK PitchHawk-G2(相場2,000円程度)
![]()
(image by http://www.soundhouse.co.jp/images/shop/prod_img/k/korg_aw3g2bka.jpg)
ギターの頭(ヘッド)に挟んで使います。お手軽に使えます。
おわりに
気づいたらものすごい長い記事になっていまいました。
至らない点もあったと思いますが、如何でしたでしょうか。
お伝えしたい点をまとめると
- コンパクトは初期安い、後高い
- マルチは初期高い、後安い
- カテゴリは「歪み系・モジュ系・空間系」
- まずは歪みを使ってみよう!買ってみよう!
になると思います。
エフェクターは奥が深く、筆者も知らないことがまだたくさんあります。
それでも、好きな音を出せた時の喜びは、初心者上級者関係なく味わう事ができると思います。
是非皆さんも、楽しいギタリスト生活をお送りください。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
追記
女子高生×楽器でおなじみの「まつだひかり」画伯のこの動画
面白いのでぜひ
メタゾネは神